合わない料理はない!…45歳に脱サラ決意させた旨辛ソース 草加育ちの「草加ポパソース」が凱旋販売

草加ポパソース

 草加を冠するオリジナル調味料「草加ポパソース」をご存じだろうか。食欲そそる辛さは癖になり、食事やおつまみにベストマッチ。東京のラーメン店で誕生以降、じわじわと隠れた人気を集めている。キャッチコピーは「合わない料理はない!」。今月から草加で待望の凱旋(がいせん)販売が行われている。

■衝撃的うまさ

 取り扱うのは埼玉県草加市中央2丁目でバー「ポパイ」を営む玉元康弘さん(56)。ソースとの出合いは今から約20年前、玉元さんが当時住んでいた東京都大田区のJR大森駅前にあるラーメン店でのこと。常連客の玉元さんが決まって注文するのは、辛たれに麺を絡めて食べる「まぜそば」。そのたれの正体こそ、後の草加ポパソースだった。毎日のように食べても飽きず、とりこになり「衝撃的。うますぎる」。貿易関連のサラリーマンだった玉元さんは、すっかり魅了され「あの味で何かできないか」と45歳で脱サラを決意。元々思い描いていた飲食業界に飛び込んだ。

 そこでラーメン店の店主にソースの商品化を打診。詳しいレシピは門外不出のため、作ったソースを譲り受ける形で契約を結び、玉元さんがセールス役を担った。

■常連客に好評

 兄が草加で飲食業をしていた縁から、同じ草加で2017年にバーをオープン。早速、常連客にソースのアレンジ料理を振る舞った。ご飯にソースをたっぷり加えたオムライス、仕上げにソースをかけた焼きそば、ほかにもチャーシュー丼、天ぷらうどん、お茶漬け…。どれも評判はうなぎ上り。酒好きの胃袋をがっちりつかんだ。家族で訪れる3歳児も大ファンになった。東京で生まれて草加で育ったソース。だから店名と合わせて「草加ポパソース」と命名した。

■エキスが凝縮

 材料は素干しエビやホタテ干し貝柱、ニンニク、長ネギなど。ごま油と数種類の調味料をブレンドし、低温でじっくり煮込む。唐辛子は辛みを引き出すために輪切りと、香りやうまみを出すため粗びき、粉末の3種類を加える。エビやホタテなど具材がぎっしり詰まり、かつてブームになった「食べるラー油」といった感じだ。

 夏場にかけては豆腐やキュウリに添えるほか、そうめんのつゆやカレーで一緒に煮込むのもお薦め。出来上がったカップ麺にスプーン半分くらいのソースを混ぜると、味の〝激変〟に驚くという。

 これまで都内ディスカウント店を中心に購入できたが、今月から草加マルイ1階「おなかすいた」の店頭に並んだ。数量限定で販売される。

 「草加で育ち愛され、草加から広まってほしい」と玉元さん。願いを込めて「子どもからお年寄りまで多くの人に味わってもらいたいね」。

 草加ポパソースは150グラムで税込み530円。

 問い合わせは、玉元さん(電話070.3775.9782、受け付けは午後1時から)へ。

草加ポパソースを買い求める客=9日午後、埼玉県草加市高砂

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