迫害のキリシタン慰霊 雲仙殉教祭に信者1300人 大規模開催は4年ぶり

4年ぶりに大規模開催された雲仙殉教祭で聖歌を歌うカトリック信者たち=雲仙メモリアルホール

 雲仙地獄の湯つぼに投げ込まれて亡くなったキリシタンをしのぶ「雲仙殉教祭」が21日、雲仙市小浜町の雲仙メモリアルホールであり、長崎県内の信者約1300人が参列した。
 カトリック長崎大司教区が主催し40回目。新型コロナ禍の影響で大規模な開催は4年ぶりとなる。長崎北地区評議会によると、1627年から5年間、雲仙地獄が迫害の道具として使われたという。同評議会の中村義幸議長は「殉教者たちのあつい信仰にならい、私たちも苦難を乗り越え祈りをささげましょう」とあいさつした。
 ミサは中村倫明大司教が司式。参列者は祈りや聖歌をささげて、迫害を受けても信仰を捨てなかった人々の遺徳をたたえた。
 ミサに先立ち、長崎市の東長崎教会の子どもたちが殉教者たちの歴史を分かりやすく表現した動画を披露した。ミサ後、参列者は祈りを唱えながら、雲仙地獄内にある殉教者祈念碑まで巡礼行列をした。

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