かがり火に照らされた舞台で能などを上演する「薪能」が22日、山形市の東北芸術工科大の水上能楽堂で行われた。夕闇に揺らめく炎が、天女の優雅な舞を浮かび上がらせ、訪れた多くの人々を魅了した。
演目は、観世(かんぜ)流の観世銕之丞(てつのじょう)さんらによる能「羽衣(はごろも)」と、大蔵流の山本東次郎さんらによる狂言「昆布売(こぶうり)」。
羽衣は、美しい羽衣を拾った漁師の前に持ち主の天女が返してほしいと現れ、舞を披露する物語。能楽堂の周囲では学生や市民らが鑑賞し、かがり火が際立たせた天女の美しさに、すっかり目を奪われていた。
昆布売は、大名に無理やり刀を持たされた昆布売りが、大名を脅して昆布を売らせ、立場が逆転するストーリー。2人によるこっけいな掛け合いに、笑い声が上がっていた。