1月の寒波で大きな打撃を受けた長崎県特産の露地ビワが、出荷最盛期を迎えている。壊滅的かと懸念されたが、例年の約3割の出荷量を確保できる見通しに。JA長崎せいひ長崎びわ部会長の濵口理さん(72)は「7割減は残念だが、生産者の努力でここまでこぎつけた」。厳冬を乗り越えて育った果実をいとおしそうに収穫している。
県内産のほとんどを扱う同JAによると、管内の予想出荷量は約90トン。雪害で約40トンに落ち込んだ2016年以来7年ぶりの低水準を見込む。
1月下旬の寒波で小さな実(幼果)は凍り、茶色く変色した。「諦めて放置したら終わり」。濵口さんらは幼果の状態を慎重に見極めながら、生き残った実は袋で包み保護し、成長を見込めない実の撤去を地道に続けてきた。
ただ、出荷量が減っても単価はそれほど上がっておらず、収入も7割減になると覚悟しているという。「大変厳しい状況だが、めげずに一生懸命育てた。数量は少ないけど、丹精込めて作ったビワを皆さんに召し上がってほしい」と話す。
露地ビワ 寒害乗り越えて出荷最盛期 例年の7割減 生産者の努力で収穫へ
- Published
- 2023/05/23 12:00 (JST)
- Updated
- 2023/05/24 13:13 (JST)
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