【米ビルボード・ソング・チャート】モーガン・ウォレン通算7週目の首位、リル・ダーク&J.コール初登場2位

モーガン・ウォレンの「ラスト・ナイト」が通算7週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

5月6日付から今週(5月27日付)まで4週連続、1位に到達した3月18日付からは非連続で通算7週目の首位を獲得した「ラスト・ナイト」。

首位獲得週
3月18日
4月15日
4月22日
5月6日
5月13日
5月20日
5月27日

今週の集計期間(2023年5月12日~5月18日)にエアプレイが6,330万回(5%増加)、ストリーミングが3,300万回(4%減少)、セールスは9,000(6%減少)をそれぞれ記録して、エアプレイ・チャートで5位、デジタル・ソング・セールス・チャートも2位をそれぞれキープ。ストリーミング・ソング・チャートでは通算9週目の首位を獲得した。

ジャンル別では、カントリー・エアプレイ・チャートで3週目の首位を獲得。ポップ・エアプレイ・チャート、アダルト・ポップ・エアプレイ・チャート、アダルト・コンテンポラリー・チャートではそれぞれTOP20にランクインして、カントリー・ソング・チャートでは首位獲得週を15週目に更新した。

カントリー・ソング・チャートとHot 100で同時に首位を獲得したのは「ラスト・ナイト」が史上20曲目で、今週でHot 100が7週目、カントリー・ソング・チャートは15週目の計22週に更新された。

計22週は、1959年にジョニー・ホートンの「ニューオーリンズの戦い」が打ち出した計16週を上回る史上最長記録で、両チャートで首位を獲得した20曲のうち、その「ニューオーリンズの戦い」とケニー・ロジャースの「レイディ」(1980年)が獲得した6週を上回り、Hot 100での首位最長記録も更新している。

「ラスト・ナイト」が収録された最新作『ワン・シング・アット・ア・タイム』は、今週のアルバム・チャート“Billboard 200”で初登場から11週目の首位を獲得した。Billboard 200で11週連続首位を獲得したのは、1998年1月24日~3月9日付まで16週を記録した映画『タイタニック』のサウンドトラック以来で、初登場から11週以上連続で首位を獲得したのは、1987年6月27日~9月5日付の同11週をマークした、ホイットニー・ヒューストンの『ホイットニーII』以来、約36年ぶりの快挙となる。

その他、初登場から首位獲得週が11週を超えたアルバムは、1976年10月16日~1977年8日付まで13週をマークしたスティーヴィー・ワンダーの『キー・オブ・ライフ』があり、『ワン・シング・アット・ア・タイム』は史上3作目のタイトルに輝いた。

続いて今週2位には、ラッパーのリル・ダークとJ.コールによるコラボレーション「オール・マイ・ライフ」が初登場。初週ストリーミングが3,090万回、エアプレイが1,080万回、セールスは3,000をそれぞれ記録して、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートでは1位を獲得した。

Hot 100では、リル・ダークがドレイクの「ラフ・ナウ・クライ・レイター feat.リル・ダーク」(2020年 最高2位)、「In the Bible feat. リル・ダーク&ギヴィオン」(2021年 最高7位)に続く3曲目のTOP10入りを果たし、リード曲としては初のランクインと最高位を更新した。

ゲストのJ.コールは通算11曲目のTOP10入りで、2021年5月に同2位をマークした「my.life with 21サヴェージ&Morray」と並ぶ自己最高位を獲得している。

R&B/ヒップホップ・ソング・チャートでは、リル・ダークが3曲目、J.コールは2曲目に、ラップ・ソング・チャートでは、両者とも2曲目に首位獲得数を更新した。

先週に続き、3位はマイリー・サイラスの「フラワーズ」が同位をキープ。先週とほぼ同率の9,120万回を記録して、エアプレイ・チャートでは通算14週目の首位を獲得した。14週は、1990年12月に集計が始まったエアプレイ・チャート史上7番目に長い記録で、コロムビア・レコードの楽曲としては、アデルの「イージー・オン・ミー」に続く2番目の記録を達成した。

26週 ザ・ウィークエンド「ブラインディング・ライツ」(2020年)
18週 グー・グー・ドールズ「アイリス」(1998年)
16週 マルーン5「ガールズ・ライク・ユー feat. カーディ・B」(2018年)
16週 マライア・キャリー「ウィ・ビロング・トゥゲザー」(2005年)
16週 ノー・ダウト「ドント・スピーク」(1996~97年)
15週 アデル「イージー・オン・ミー」(2021~22年)
14週 マイリー・サイラス「フラワーズ」(2023年)
14週 パニック!アット・ザ・ディスコ「ハイ・ホープス」(2018~19年)
14週 アリシア・キーズ「ノー・ワン」(2007~08年)
14週 セリーヌ・ディオン「ビコーズ・ユー・ラヴド・ミー」(1996年)

シザの「キル・ビル」は先週の2位から4位にダウンしたが、R&Bソング・チャートでは22週目の首位を獲得。エスラボン・アーマード&ペソ・プルマの「Ella Baila Sola」も4位から5位に順位を下げたが、ラテン・ソング・チャートでは7週目の首位を獲得している。

先週5位にランクインしていたレマ&セレーナ・ゴメスの「カーム・ダウン」も今週6位にダウンしたが、約1年前から集計が始まったアフロビーツ・ソング・チャートでは首位獲得週を史上最長の38週目に更新した。

7位は、先週の6位からメトロ・ブーミンの「Creepin' with ザ・ウィークエンド&21サヴェージ」がダウンして、先週初のTOP10入りを果たしたトゥーシーの「フェイバリット・ソング」は8位をキープしている。

続いて今週9位には、先週の11位からルーク・コムズの「ファスト・カー」が上昇し、「フォーエバー・アフター・オール」(2020年/最高2位)、「ザ・カインド・オブ・ラヴ・ウィ・メイク」(2022年/最高8位)に続く3曲目のTOP10入りを果たした。

「ファスト・カー」は、今年3月に発表した新作『ゲッティン・オールド』に収録されたナンバーで、翌4月にシングルとして正式にリリースされた。この曲は、シンガーソングライターのトレイシー・チャップマンが1988年にリリースした同名曲のカバーで、原曲は同年8月に最高6位を記録し、翌89年に開催された【第31回グラミー賞】では<女性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス>を受賞している。

80年代にTOP10入りした曲の純粋なリメイク(サンプリングは除く)がTOP10入りするのは、著名アーティスト等が「USAフォー・アフリカ」としてリリースした「ウィ・アー・ザ・ワールド」(1985年/1位)をリメイクしたハイチ地震の被災者支援としてクインシー・ジョーンズとライオネル・リッチーが指揮をとったアーティスツ・フォー・ハイチの「ウィ・アー・ザ・ワールド:25 フォー・ハイチ」(2010年/2位)以来の快挙となる。

「ファスト・カー」は、今週の集計期間にストリーミングが1,950万回(2%減少)、エアプレイが1,300万回(51%増加)、セールスは8,000(15%増加)をそれぞれ記録して、カントリー・エアプレイ・チャートで28位から21位、アダルト・ポップ・エアプレイ・チャートで31位から23位、ポップ・エアプレイ・チャートでは37位から35位にそれぞれ最高位を更新している。

10位はテイラー・スウィフトの「アンチ・ヒーロー」が同位をキープして、TOP10滞在週を今週で自己最長記録となる28週目に更新した。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは5月26日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「ラスト・ナイト」モーガン・ウォレン
2位「オール・マイ・ライフ」リル・ダーク feat. J.コール
3位「フラワーズ」マイリー・サイラス
4位「キル・ビル」シザ
5位「Ella Baila Sola」エスラボン・アーマード&ペソ・プルマ
6位「カーム・ダウン」レマ&セレーナ・ゴメス
7位「Creepin'」メトロ・ブーミン with ザ・ウィークエンド&21サヴェージ
8位「フェイバリット・ソング」トゥーシー
9位「ファスト・カー」ルーク・コムズ
10位「アンチ・ヒーロー」テイラー・スウィフト

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