竹活用でエコな社会へ 落語家らとPR 日建HS

竹集成材をいきなり口に入れ、活用法をアピールする月亭方正さん(中央)。左は桂三語さん、右は笑福亭大智さん

 放置竹林の竹材活用を研究している日建ハウジングシステムズ(本社・東京)は「竹でイエを建てちゃおう!プロジェクト」の第2弾として、応援隊長に指名している落語家の月亭方正さん(55)を大阪オフィスに招き、若手落語家らも加わって活用法を話し合うイベントを開いた。

 このプロジェクトは、竹が地域資源で、竹バイオマス産業都市構想を推進する鹿児島県薩摩川内市と地元の鹿児島大が組み、2016年からスタート。方正さんが所属する吉本興業もSDGs(持続可能な開発目標)を推進する立場からコラボレーションしている。

 竹を8分割、ヘラ状に加工し、接着剤で固めて集成材として利用。宇佐見博之社長は「スギなどより硬く、十分住宅資材として使える。ただし竹は植物分類上、木ではなく草。国土交通省などの規定で草類は建築資材として使えず、現在は内装などにしか使えないので抜本的な法改正が必要。まず国の許認可を個別に受け、屋外休憩ブースなどとして建築。強度や耐久性を証明しないといけない」と説明。本格商品化のめどを「2030年頃」と想定した。

 方正さんは5年前、上方落語独特で用いる見台とひざ隠しを竹で製作しており、「この集成材をいろいろ使いたい」と若手の笑福亭大智さん(44)と桂三語さん(37)と話し合った。いきなり集成材を口にくわえた方正さんが「お医者はんでノド診るヤツ」と舌圧子(ぜつあつし)代わりに用いて場内を笑わせ、3人で板や棒、周囲の柱などをためつすがめつしながらワイワイ。

 最後は宇佐見社長が「緑化保全にスギやヒノキなどの森林伐採が難しくなった。25年には大阪で万博があるので、皆で知恵を出し合って竹活用でエコ社会を実現しましょう」と結んだ。

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