過去50年で最も高く評価された英国の作家 食道がんで死去、73歳 無学だった17歳を継母が好アシスト

イギリス人作家マーティン・エイミス氏が死去した。73歳だった。妻で作家のイザベル・フォンセーカが19日に食道がんとの闘いの末、米フロリダ州の自宅で亡くなったことを、20日のニューヨーク・タイムズ紙に公表した。マーティン氏は1991年にブッカー賞の最終候補となった『時の矢 あるいは罪の性質』や『イエロー・ドッグ』などの小説を手がけ、2000年には回想録『エクスペリエンス』でジェイムズ・テイト・ブラック記念賞を受賞している。

ブッカー賞は「過去50年間で最も高く評価され、議論されてきた小説家の一人であるマーティン・エイミスが亡くなったと聞き、私たちは悲しみにうちひしがれています」「私たちの思いは、彼の家族と友人と共にあります」と短い声明を発表している。

17歳頃までは「かなりの無学」だったとされるマーテインだが、継母に勧められてシャーロット・ブロンテの古典『ジェーン・エア』を読み、1971年にオックスフォードのエクセター・カレッジで学位を取得後ジャーナリズムのキャリアをスタート・1973年にデビュー作『二十歳への時間割』を出版した。

また『マネー』『ロンドン・フィールズ』『ジ・インフォメーション』から成る「ロンドン三部作」小説でも知られるマーティンは、キャリアを通じて15冊の小説を出版、2020年発表の、「小説化された自伝」として自身のキャリアと私生活を描いた『インサイド・ストーリー』が最後の作品となった。

1985年のインタビューで自身の作品について、マーティンはこう語っている。「ファストフードの世界、セックスショー、ヌード雑誌など、低俗なものを表現するために高尚なスタイルを作り出そうとしてきたんだ。私の本は、人生の刺激的で反骨的な側面に集中しているとよく非難されるが、私はむしろ感傷的であると感じている。タブロイド紙を読めば、私が描くよりもはるかに大きな恐怖と対峙することになる」

(BANG Media International/よろず~ニュース)

© 株式会社神戸新聞社