古座川「河内祭」4年ぶりに水上渡御 7月、コロナ禍前と同じ規模で開催

河内祭の開催に向けて話し合う祭り関係者(18日、和歌山県串本町古座で)

 和歌山県の串本、古座川両町を流れる古座川で営まれる「河内祭」の保存会は18日、今年はコロナ禍前と同じ規模で7月22、23日に開催することを決めた。4年ぶりに御舟が河内島を巡る水上渡御などが復活する。

 河内祭は、古座川の河口から約3キロ上流にある河内島をご神体とする河内神社の例祭。下流域の5地区(串本町古座、同町古田、古座川町高池下部、同町宇津木、同町月野瀬)が祭りを担っている。華やかな飾り付けをした御舟による水上渡御や獅子舞などがあり、多くの見物人でにぎわう。1999年には「河内祭の御船行事」として国の重要無形民俗文化財に指定されている。

 18日、保存会の会議が串本町古座の古座漁村センターであり、御舟を操る「勇進会」や古座獅子を担う「古座青年会」、御舟謡(みふねうた)の保存団体「河内会」のメンバーら12人が出席。協力して祭りを開催することで一致した。

 会議では、「漁師だけで(御舟を)2杯(隻)出すのは難しい」という意見があり、航空自衛隊串本分屯基地(串本町須江)に協力を求めることを決めた。御舟謡の歌い手が不足していることも議論。1隻の御舟には乗船して歌うが、もう1隻は録音した音源を流すことにした。古座中学校の生徒による櫂伝馬競漕(かいてんまきょうそう)については近く、学校に依頼するという。

 保存会の杉本喜秋会長(76)は「祭りを残していかないといけないので、どうしてもやりたかった。何とかできるようになって大変うれしい。開催に向けて協力して準備を進めたい」と話した。 

河内祭で河内島をゆっくり回る御舟(2019年7月、和歌山県串本町古田で)

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