「君ソム」能登ロケ地紹介 チラシ作製、県が協力

ロケ地マップが掲載された映画のPRチラシを紹介する石川県職員=県庁

  ●映画公開まで1カ月 全国で配布

 七尾市が舞台の人気漫画「君は放課後インソムニア」(君ソム)の実写映画が6月23日に全国公開されるのを前に、映画のPRチラシが完成した。ストーリーや俳優陣の紹介だけでなく、石川県が作製に協力し七尾市や珠洲市の名勝「見附島(みつけじま)」など作品に登場するスポットの地図も掲載。公開される全国130カ所以上の映画館で配布されており、県は地震で被害を受けた能登へ「聖地巡礼」のファン誘致につなげる。

 「君ソム」は漫画家オジロマコトさんが「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で連載中の作品で、不眠症という同じ悩みを共有する男子高生の中見丸太(なかみ・がんた)と女子高生の曲伊咲(まがり・いさき)の青春を描いている。実写映画では俳優の森七菜さん、奥平大兼さんが主演する。

 映画「君ソム」製作委員会が手掛けたチラシは、B4判、二つ折り。ロケ地マップには、七尾市中心部を流れる御祓川に架かる七つの橋、能登町の真脇遺跡を写真付きで掲載した。七つの橋では、全ての橋を一筆書きにして無言で渡りきると願いがかなう風習「七つ橋渡り」、真脇遺跡では主人公2人が星空の写真を撮影しに行ったことをそれぞれ紹介している。

 加えて、ロケ地ではないものの、作中に登場する見附島もマップに記載した。

 県が映画を通じて能登を広域に観光してもらう狙いで、ロケ地マップをチラシに掲載するよう製作委員会側に働き掛けた。

 珠洲市で最大震度6強を観測した地震では、見附島の斜面の崩落が進んだほか、奥能登の宿泊施設が被害を受けた。さらに、風評被害によって七尾市の和倉温泉でも宿泊予約のキャンセルが相次いだ。

 県の担当者は「地震で加賀地域でも風評被害が出ている。多くの人に能登をはじめ、石川県全域に足を運んでいただけるきっかけになる映画になってほしい」と期待した。

 「君ソム」は4月からテレビアニメも放映されている。アニメと実写映画は北國新聞社が特別協賛している。

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