共同親権は「子どもの命脅かす」 DV被害者側、導入に危機感

 法制審議会(法相の諮問機関)の家族法制部会が、離婚後の子どもの養育に関し父母双方の「共同親権」導入を検討していることを受け、ドメスティックバイオレンス(DV)や虐待の被害者支援に取り組む複数の団体や被害者らが23日、厚生労働省で記者会見した。「特に子どもの命が脅かされる」と制度の導入に強い危機感を示した。

 法制審では現在、父母双方の真摯な合意が確認できた場合、共同親権を選べるようにすることを検討している。元夫からDVを受け、昨年離婚した30代女性は「共同親権という形で縛られれば、ことあるごとにもめ事になり、疲弊していくことは目に見えている」と話した。4歳の長男を育てており「子どもを争いに巻き込まないように守ってあげたい」と訴えた。

 現行民法は、子どもは親権者の定める場所に住むと規定している。法制審では今後、共同親権を導入する場合、離婚後の居住場所も父母が共同で決定・変更するとの案も含めて制度設計を進めるとみられる。

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