きりん座流星群、2023年5月24日夜に出現の可能性 オススメの時間帯や方角、観測のポイントは

写真を拡大 2023年5月中旬午後9時ごろの星空(国立天文台のHPより引用)。北極星の近くに「きりん座」が位置している

 2014年にアメリカ大陸を中心に突発出現が観測された「きりん座流星群」は、23年も出現の可能性が指摘されている。規模は不明だが、専門家によると、国内で初めてきりん座流星群の活動に遭遇するチャンスになるかもしれない。観察にオススメの時間帯や方角を国立天文台や国際流星機構(IMO)などの情報を基にまとめた。

きりん座流星群

きりん座流星群は2014年より前には、まとまった出現が記録されていなかった新しい流星群だ。流星群のもとになる塵(ダストトレイル)を放出した天体「母天体」は、リニア彗星(209P/LINEAR)。

⇒全国のきょうの天気は

オススメの観測時間

ダストトレイルの接近が予想される「極大」は3回で、星の見えない日中を除くと5月24日午後9時台と10時台に予想されている。つまり、同日午後9時~10時台がオススメの観測時間だ。月明かりの心配はなさそう。

流れ星の数

2014年の突発出現のときは、理想的な条件下での1時間平均出現数(ZHR、眼視観測)は20個ほどだった。今回も同様の数が出現する可能性があるという。

放射点はどこ

流れ星が飛び出してくるように見える天球上の点「放射点」はきりん座に位置する。しかし、きりん座は明るく目を引く星が一つもないため、見つけるのは難しい。国立天文台の担当者は「北極星とカシオペア、北斗七星、ぎょしゃ座の間に広がっているので、それらを目印にしてみて」とアドバイスしている。

流れ星を逃さないコツ

流れ星は放射点付近だけでなく、さまざまな方向に現れるので、できるだけ空の広い範囲を見渡すのが観察のポイント。きりん座流星群の流れ星は速度は遅いため、北からゆっくりと流れる星をイメージして観測に臨むと良いという。

ココにも注目

日の入り後の西の空には、明るく輝く宵の明星「金星」が、さらに少し高い位置には「火星」が見えている。5月23日から25日にかけては、金星と火星の近くに細い月も。少しずつ太くなりながら東へ移動していく月と、惑星たちの共演にも注目してみよう。

観察するときの注意点

屋外の暗さに目が慣れるまで、最低でも15分ほどは観察を続けると良いそう。レジャーシートを敷いて地面に寝転んだり、背もたれが傾けられるイスに座ったりすると、楽な姿勢で観察しやすい。朝晩は冷え込むので、寒さ対策をして事故に遭わないように十分注意し、マナーを守って観察しよう。

© 株式会社福井新聞社