中国「世界一流の軍隊」前倒しか 防衛白書素案が判明

中国建国70年の記念式典で、人民解放軍を閲兵する習近平国家主席=2019年10月1日、北京(新華社=共同)

 政府の2023年版防衛白書の素案が23日、判明した。中国の軍事動向を巡り、習近平指導部が21世紀半ばまでに実現するとしてきた「世界一流の軍隊建設」を前倒しする可能性を指摘。中国とロシアが連携した日本周辺での軍事行動を「わが国に対する示威活動を明確に意図したもの」として重大な懸念を示した。白書は7月中に閣議に報告される見通しだ。

 中国に関しては、昨年12月に決定した国家安全保障戦略を踏襲し「これまでにない最大の戦略的挑戦」と明記。35年までに1500発の核弾頭を保有する可能性があると言及したほか、宇宙、サイバー、電磁波といった新領域でも優勢の確保を重視しているとした。

 「世界一流の軍隊」の目標は習指導部が2017年の共産党大会で打ち出した。白書では、昨年10月の党大会報告で「早期に」構築すると記されたとして、前倒しの可能性があると分析した。

 中ロの共同行動を巡っては19年7月以来、日本周辺で爆撃機による共同飛行を計5回実施したと説明している。

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