「かわいそうで終わらせない」 ゴール下敷き男児遺族が点検集

サッカーゴールの点検をする福岡県大川市立大川小学校の教員ら(同市提供)

 福岡県大川市の市立川口小で2017年、サッカーゴールの下敷きになり亡くなった4年生男児=当時(10)=の遺族が、市教委などと共に学校の安全点検のポイントをまとめたリーフレットを完成させた。父梅崎貴文さん(43)は「かわいそうで終わってはいけない。未来を考える土台にしてほしい」と訴える。

 17年1月、男児が体育の授業でサッカーをしていた際、小型ゴール上部のネットにぶら下がり落下。倒れたゴールに挟まれ死亡した。

 遺族は「行政や学校と協力して安全のために行動を起こしたい」と事故直後から市側に提案。昨年、民事訴訟でゴールを固定していなかった市側の過失を認めた判決の確定後、リーフレット作成に向けた協議が始まった。

 今年4月発行の第1号は、「全職員一斉に」「複数の目で」といった七つのポイントを記し、教科ごとの点検表もQRコードで紹介した。

 5千部を作成し、約8割は既に近隣の小中学校や大学などに配布した。今後も年2回のペースで発行する予定だ。梅崎さんは自身の経験を基にした講話も計画している。

男児の遺族らが学校の安全点検のポイントをまとめたリーフレット(福岡県大川市提供)

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