ゼレンスキー氏、激戦の前線訪問 国境攻撃をロシア利用と英分析

21日、岸田首相と会談するウクライナのゼレンスキー大統領=広島市

 【キーウ、ロンドン共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は東部ドネツク州の激戦地ウグレダル、マリンカにある前線の拠点を訪問し、海兵隊を創設する考えを示した。大統領府が23日発表した。新たな海兵旅団を編成し、近代的な装備や武器が与えられるとした。

 英国防省は23日、ウクライナと国境を接するロシア西部ベルゴロド州で、破壊工作グループが行ったとされる攻撃に関し「ロシアは自国が戦争の被害者であるというストーリーを支えるために、ほぼ間違いなくこの事件を利用するだろう」との見解を表明した。

 英国防省の分析によると、19日から22日にかけて、ベルゴロド州内の少なくとも3カ所でロシアの治安部隊と破壊工作グループが衝突した可能性が非常に高いという。グループについては「正体は確認されていないが、ロシアの反体制派が実行を主張している」と説明した。

 英国防省は今回の攻撃以外にも、戦闘機損失や線路破壊などロシアの被害を踏まえ「国境地帯では、さまざまな分野で安全保障上の脅威が深刻化している」とも指摘した。

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