世界柔道金メダルの新添選手が橿原市長表敬 初の五輪代表へ「前進したと思う」

金メダルのデザインについて亀田市長(左)に説明する新添選手=23日、橿原市内膳町1の同市役所分庁舎1階屋内交流スペース

 カタール・ドーハで7〜14日に開催された世界柔道選手権大会2023の女子70キロ級と男女混合団体戦で二つの金メダルを獲得した奈良県橿原市出身の新添左季選手(26)=自衛隊=が23日、同市内膳町1丁目の同市役所分庁舎(ミグランス)で市民らが見守る中、亀田忠彦市長に世界大会の結果を報告した。

 新添選手は個人女子70キロ級決勝戦で一本勝ちを決め初優勝。同階級の日本勢の優勝は2018年の新井千鶴選手以来5年ぶりの快挙となる。男女混合団体戦ではフランスとの決勝戦、3対3からの代表戦に登場し勝利。日本の6連覇に大きく貢献した。

 6月下旬に開催される見込みの全日本柔道連盟の強化委員会では、今大会の金メダリストが来年のパリ五輪代表に推薦される予定。新添選手は初の五輪代表に大きく前進した。

 亀田市長は「多くの橿原市民が新添選手の活躍に期待し、応援している。引き続き頑張ってください」とエール。

 新添選手は「まだ代表に選ばれていないので先走ったことは言えないが、前進はしたと思う。今回の結果がたまたまだったと思われないよう、今後の試合でも安定した内容で結果を残していきたい」と応えた。

 新添選手は橿原市柔道クラブで柔道を始め、天理中・高校を経て、山梨学院大学2年の時に講道館杯で優勝。2021年に全日本選抜柔道体重別選手権大会や22年の柔道グランドスラム・東京なども制している。

 柔道世界選手権で個人と団体で金メダルを獲得した新添左季の今回の奈良県橿原市の表敬訪問でサポート役を務めたのは、市生活福祉課の村井惟衣さん(25)。実は新添と小学生の橿原市柔道クラブ時代から一緒に柔道を学んだ旧知の仲。大学時代は台湾で開催されたユニバーシアード競技大会(2017・台北)に、新添は70キロ級、村井さんは57キロ級で共に日本代表として出場した。

 村井さんから見た新添は「内気でシャイなところがあり、勝ちにいくという感じがあまりなかったが、技がうまかった。今はいい意味で内気さはそのまま、この1、2年で実力とともにメンタルも安定してきたと思う」という。

 今回の飛躍に対し、「長年一緒にやってきた左季ちゃんが、プレッシャーに負けず大きな舞台で結果を残したことが、本当に誇らしい。(テレビ観戦で)負けることはないと思いながら見ていたが、最後まで戦い抜いて世界一になった姿に、小さい頃からいろいろなことを乗り越えて頑張ってきた姿が重なり、涙が出た。今後もプレッシャーは大きいと思うが、けがのないよう頑張ってほしい」と、さらなる活躍を期待した。

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