「がん」をやさしく伝える 親発病の子に 四国がんセンターが冊子制作

親ががんになった子どもたちをサポートしようと四国がんセンターが制作した冊子「やさしいがんのお話」

 「がんって何?」「どうやって治すの?」。親ががんになった子どもたちに、治療や生活の変化を伝えるきっかけにしてもらおうと、四国がんセンター(松山市南梅本町)が冊子「やさしいがんのお話」を制作した。医療者や親自身が子どもと一緒に心を元気にするヒントや実践法を、優しいイラストとともに掲載。全国各地の病院や家族が取り寄せ、好評を得ている。

 「一度に全ての内容を伝えようとしなくて大丈夫。まずは子どもが興味を持ってくれる部分から話してみてほしい」。5月中旬、同センター公認心理師・臨床心理士の井上実穂さんが、冊子の使い方や注意点を紹介するオンライン講座の受講者に呼びかけた。「大人と子どもがコミュニケーションをしっかり取ることが大切」という。

 冊子はこれまで約2千冊を配布。親ががんになった子をサポートするNPO法人「Hope Tree」(神奈川県)を通して無償で提供している。

ゆっくりと背中をさすってもらうことで安心し、リラックスできる方法を実演する四国がんセンターの公認心理師・臨床心理士の井上実穂さん(左)=松山市南梅本町

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