長崎「松浦・福島コース」 オルレの本場・韓国客が満喫 地元の味でおもてなしも

伊万里湾内に点在する「イロハ島」を背に歩くツアー客=松浦市福島町

 九州の魅力的なトレッキングコース「九州オルレ」の「松浦・福島コース」を楽しもうと20日、本場・韓国から初のツアー客約30人が長崎県松浦市福島町を訪れた。市職員やガイドと一緒に海岸線や山など自然の風景を楽しめる道と集落の路地などを約3時間かけて歩き、心地よい汗を流した。
 「オルレ」は韓国・済州島から始まった山歩きで、韓国語で「通りから家に通じる狭い路地」という意味。「済州オルレ」の姉妹版にあたる「九州オルレ」は7県に18コースあり、長崎県内では南島原市、島原市に続いて松浦市が3カ所目となる。
 松浦・福島コースは2019年度からコロナ禍を挟みながら整備が進められ、昨年12月に済州オルレから認定を受けた約10キロの最新コース。スタートの市福島支所からアップダウンが続くのが特徴で、九州オルレの中でも中上級者向けに位置付けられている。

オルレのためにつくられた山道。木製の階段が取り付けられている

 今回のツアーは済州オルレ日本支社の主催。昼の到着に合わせ、途中にある標高160メートルの大山展望所から約7.5キロの道のりを楽しんだ。玄海国定公園の景勝地「イロハ島」の景色を写真に収め、木造校舎が残る旧養源小そばでは地元住民から飲み物のおもてなしを受けた。休憩で立ち寄った鍋串漁港ではちりめんじゃこの味見もあり、地元の特産を買い求める人もいた。
 コースには済州オルレ公式の赤と青のリボンが約300個、矢印の標識が64カ所あり、少人数でも迷わずに進むことができる。参加したシン・ジョンミさん(60)は「土の道が多く、オルレのコンセプトに合っている。野イチゴを食べたりしながら楽しめた。もっと人の住んでいる様子が見られたらうれしい」と笑顔で話した。 コースに関する詳細は「九州オルレ」公式ホームページから。問い合わせは松浦市文化観光課(電0956.72.1116)。

木造校舎が残る旧養源小前を通るツアー客。赤と青のリボンや矢印の標識が目印になっている

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