行こう、バリアフリー観光 障害者ら向け「山形ボランティアの会」発足

障害の有無などにかかわらず誰もが安心して観光できる環境の構築を目指して発足した山形観光介助ボランティアの会=南陽市・赤湯公民館

 障害の有無や年齢にかかわらず、誰もが安全で安心な旅行を楽しむバリアフリー観光を全県で推進しようと、「山形観光介助ボランティアの会」が23日、発足した。障害者や高齢者の観光ニーズの高まりを受けて結成したもので、温泉での入浴介助、移動支援などを手がけ、本県の観光推進に寄与する。介助するサポーターを養成した上で、早ければ年度内に事業をスタートさせる。

 「山形バリアフリー観光ツアーセンター」(南陽市)の加藤健一代表理事が呼びかけ人となり、設立総会が同日、南陽市の赤湯公民館で開かれた。加藤代表理事は2016年に同センターを設立し、障害者の観光推進に関わってきた中で、手足が不自由な障害者らが、本県観光の魅力である温泉を十分に楽しめていないことを実感し、入浴を介助するなどの支援組織発足を模索してきた。

 設立総会には県や市の行政関係者、理事に名を連ねたやまがた女将会の佐藤洋詩恵顧問ら関係者約20人が出席し、会長には加藤代表理事が就任した。加藤代表理事は「人の温かさを感じることができ、本県への移住促進にもつながるような取り組みにしたい」とあいさつした。

 同センターに事務局を置き、利用会員(要登録、入会無料)の依頼に応じ、専門的な講習を受講したサポーターを観光施設などに派遣する。車いすを押すなどの移動介助や入浴の際のサポートは有料となる見通し。サポート対象となる観光先は温泉などの宿泊施設、遊園地、寺社などで、施設側も企業会員として登録してもらうことを想定している。

 現在のサポーターは20人。今後、サポーター、利用会員、企業会員を募集していく。申し込みと問い合わせは同センター0238(20)6125。

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