プラごみが主人公!? 6月4日、白浜町で環境の劇「海の豊かさを守ろう」

演劇祭での上演を目指し、練習に熱が入る住民劇団員(和歌山県白浜町十九渕で)

 和歌山県の白浜町や周辺市町の住民が参加する演劇「海の豊かさを守ろう」が、6月4日に白浜町のホテルシーモアで上演される。海を漂うプラスチックごみの視点で、環境問題について考える異色作。出演者はペットボトルやビニール袋になりきって、熱演する。

 海や持続可能性など環境をテーマにした「南紀白浜演劇祭S」(実行委員会主催)の演目。演劇祭は午前10時45分開演で、「海の豊かさを守ろう」は午後3時半から約20分。

 出演者は10代から60代までの15人で、大半が演劇の初心者。4月半ばからオンラインで練習を始めた。上演が迫る中、今月17日からは白浜町内に集まって通し稽古をしている。

 演劇では主人公のプラスチックごみが、形を変えながらも微少な粒「マイクロプラスチック」として海を漂い続ける。笑えて、どこかはかない物語になるという。狂言風のセリフ回しも独特の世界観を演出している。

 出演者の北田拓海さん(30)は、白浜町のレジャー施設「アドベンチャーワールド」で鯨類の飼育やショーを担当している。「ショーを通じ、海の環境について伝えているが、演劇は問題を自分ごとにできる力がある。私自身も初めての演劇出演を楽しみたい」と力を込めた。

 同じくアドベンチャーワールドに勤務する太田真梨佳さん(29)は、高校、大学で演劇部だった。「久々に台本を手にし、わくわくしている。モノの役は初めて。私たち次第でプラごみは再利用できる。さまざまな情報が詰まったセリフに注目してほしい」と笑顔を見せた。

 小山博章実行委員長は「環境問題を題材にしており、学校で披露したり、子どもたちに参加してもらったりと活動を広げたい。まずは地元の方に演劇に触れてほしい」と来場を呼びかけている。

 チケットは税込み3千円。1枚のチケットで、全ての演目が観覧できる。予約、問い合わせは演劇プロデュース会社MTC(050.3699.3171)へ。

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