スウォッチ日本、社長叱責で労災 幹部が精神障害「パワハラ」主張

労災認定の文書を見つめる女性幹部=4月、東京都世田谷区

 スイスの時計メーカー「スウォッチグループ」の日本法人で働く幹部社員の50代女性が、日本法人に赴任した外国籍の女性社長による執拗な叱責などが原因で精神障害を発症したとして、中央労働基準監督署(東京)から労災認定されていたことが24日、分かった。女性の加入する労働組合「総合サポートユニオン」が明らかにした。

 女性は社長から「ばかじゃないの」「レベルが低い」などと罵倒されるパワーハラスメントを受けたと主張。録音データを提示して謝罪を求めたが、日本法人は応じていないという。日本法人は取材に労災認定があったことを認めた上で、社長の言動に関しては「労基署からパワハラとは認定されていない」と回答した。

 労災認定の文書によると、女性は2008年、スウォッチグループジャパン(東京)に入社し広報業務を担当。21年3月に就任した社長から、広報プロジェクトの予算を巡って激しく叱られ、同8月には人事評価を大きく下げられて、9月に適応障害を発症した。

 労組は、社長にふさわしくないとして辞任を求めている。

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