タイガーマスクの志、広がる ケアリーバー支援、群馬で創設

届いたランドセルに添えられた「伊達直人」からのメッセージカード=2010年12月、前橋市

 群馬県富岡市の榎本義法市長は24日、児童養護施設などを巣立つ18歳以上の若者へ、自立支援の制度を創設する方針を示した。1人暮らしの準備金支給や運転免許取得費用の補助を想定。県内では、漫画「タイガーマスク」の主人公「伊達直人」を名乗ってランドセルを寄付した前橋市の河村正剛さん(49)の呼びかけで、前橋市、伊勢崎市が同様の支援を導入し、広がりを見せている。

 榎本市長は24日までの共同通信の取材に「若者の貧困が少しでも減るよう、力になりたい」と狙いを説明した。財源は市の基金を活用し、本年度中に始められるよう補正予算案に盛り込む考え。河村さんは2月、市長へ直接要望しており「子どもたちの笑顔につながる取り組みが、全国に波及してほしい」と喜んだ。

 こども家庭庁によると、親との死別や虐待などで、施設や里親などの元で暮らす「社会的養護」の対象となるのは、現在は原則18歳(最長で22歳)まで。保護を離れた「ケアリーバー」は公的な援助が途切れ、貧困や孤独に陥りやすいとされる。

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