落とし穴は自身の「過信」…香川県で特殊詐欺被害が急増 その手口と対策は

2023年に入ってから香川県での特殊詐欺の被害額は約5600万円と2022年を上回るペースで増えています。皆さんは「絶対にだまされない」と思っていませんか?

こちらは香川県警が過去5年間に県内で発生した特殊詐欺の状況をまとめたものです。香川県警によるとここ数年、被害額や件数はほぼ横ばいでしたが2022年の秋ごろから急に発生件数が増えました。

そして2023年……。5月22日時点での被害額は約5600万円、発生件数は72件となっています。この数字は2022年の同じ時期と比べ2倍以上、年間での被害額、件数も2022年を上回る勢いです。

減らない特殊詐欺の被害。どのような方が被害に遭うのか、香川県警に聞いてみました。

(香川県警察本部 生活安全企画課/来田寛 調査官)
「被害のほとんど、だいたい4分の3は65歳以上の高齢者の方。高齢者施設の入居権を名目に名義貸しをしたということでそれを脅しのような形でお金をだまし取る、オレオレ詐欺にしても息子や孫を装ってそれを助けたいという善意につけこんで、高齢者の環境や境遇にあわせた手口が非常に多い」

また被害は高齢者だけでなく若い世代や働いている世代でも多くなっています。

(香川県警察本部 生活安全企画課/来田寛 調査官)
「最近ではパソコンへのウイルス感染を装って、そのウイルスの対策を申し出るような、サポート詐欺というのが流行ってきている」

香川県警によるとサポート詐欺は電子マネーなどの購入を促されるため、ほかに比べ1万円や5万円など被害は少額のケースが多いとのこと。しかし、1回だまされてしまうと2回目3回目やほかの被害につながる可能性もあります。

手を変え品を変え襲いかかる特殊詐欺。どのように対策すればよいのでしょうか?

(香川県警察本部 生活安全企画課/来田寛 調査官)
「被疑者グループからすれば非常に慣れていますので被害者の方と比べると圧倒的に練度の差があります」

香川県警が2022年、被害に遭った人に被害に遭うまでの意識を聞いたところ約95%もの人が「被害に遭わない」「考えたこともない」と答えていました。

この「過信」が特殊詐欺に遭ってしまう大きな要因だとしています。

(香川県警察本部 生活安全企画課/来田寛 調査官)
「特殊詐欺は突然遭遇する、あらかじめわかっているものではないので実際に特殊詐欺に遭遇した時にあわてずに対応するためにはやはり手口を知っておかないと、それが詐欺だっていうことを見抜けない」

香川県警では県のYouTubeで特殊詐欺の手口を体験できる動画を公開しています。

被害に遭わないためにまずは自分を過信せず、手口を知るなど特殊詐欺への知識を増やすことが重要です。

(香川県警察本部 生活安全企画課/来田寛 調査官)
「電話でお金の話っていうのはまずないので、続けずにすぐに切ってください。そしてすぐに警察とかご家族でもいいので、誰かに相談する、それで被害は防げると考えます」

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