女川原発訴訟、住民控訴へ 地裁、避難計画の実効性判断せず

判決後に記者会見する原伸雄原告団長=24日午後、仙台市

 東北電力女川原発2号機(宮城県)の再稼働差し止めの請求を棄却した仙台地裁判決を受け、原告側の同県石巻市の住民は24日、記者会見し「速やかに控訴する」と発表した。争点だった重大事故時の避難計画の実効性について地裁は、住民側が事故の危険性を立証しておらず「判断するまでもない」と退けた。原告側は「判断放棄で極めて疑問」と批判した。

 会見で原告団長の原伸雄さん(81)は「事故が起きる前提で避難計画が作成されている。住民側が危険性の立証をするのは不可能だ」と判決内容を批判。小野寺信一弁護団長は「計画に合理性がないのは明らかだ」と述べた。

 判決は「運転再開によって放射性物質を異常に放出する事故が起きる具体的な危険の存在を前提にはできない」と指摘。その上で「運転再開による危険を認めるに足りる証拠がない」とした。

 仮に計画に不備があったとしても「人格権侵害の具体的危険があるとは認められない」と判断した。

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