少子化財源、つなぎ国債発行検討 借金で不足分穴埋め、将来返済

「つなぎ国債」のイメージ

 政府は少子化対策に充てる当面の財源を確保するため、国債の一種である「つなぎ国債」の発行を検討している。政策を早期に実行するために、当初不足する財源を借金で穴埋めし、将来の社会保険料の上乗せなどで入ってくるお金で借金を返済するという流れだ。

 つなぎ国債は赤字国債の一種だが、返済に充てる財源をあらかじめ決めて発行するという特徴がある。財政規律を維持する狙いで、将来の増税で入ってくるお金を財源に充てるケースが多い。

 少子化対策は岸田政権の最重要課題でもあり、政府は今回「こども」を前面に押し出す。

 つなぎ国債は「こども特例公債」という名称にする方向。政府は子ども政策に関連する収支を一元的に管理するため特別会計を新設する方針で、特別会計の名称は「こども金庫」とする案が出ている。つなぎ国債もこの特別会計で管理する。

 政府は少子化対策に年間3兆円規模の財源が必要になるとみている。このうち約1兆円は社会保険料の上乗せで捻出し、残りは社会保障分野の歳出削減や、児童手当などで企業が負担している「事業主拠出金」の増額が検討されている。

 ただ社会保険料の上乗せを開始する時期は2026年度以降になる見込みだ。少子化対策を始めてから財源が十分に確保できるまでの間は、国債発行による借金で経費を賄う方向となった。

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