岸田文雄首相は24日、先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)後の初の国会論戦に臨んだ。参院本会議や衆院予算委員会では、防衛財源確保のための特別措置法案などを巡る野党からの批判を「指摘は当たらない」と突っぱね、サミットの成果を強調。上昇した内閣支持率を背景に、早期の解散総選挙も辞さない思惑をにじませた。
参院本会議では、防衛財源確保のための特別措置法案の審議が始まった。立憲民主党の横沢高徳氏から「増税など国民負担を強いる方針を国会審議を経ずに決めた」と批判された首相は「指摘は当たらぬ」と答弁し、「増税ありきではない」と付言。共産党の小池晃氏から「憲法をないがしろにしている」などと追及された際も横沢氏と同様に指摘内容を列挙し「いずれの指摘も当たりません」と5度にわたって繰り返した。
「指摘当たらぬ」は官房長官時代の菅義偉前首相(2区)が会見などで頻繁に使っていたフレーズ。野党からは「(菅氏が)総理の時は使わなかったぞ」と怒気まじりのヤジが飛んだ。