三谷幸喜が向田邦子賞を受賞! 大泉洋、新垣結衣、菅田将暉ら「鎌倉殿の13人」キャストが称賛

5月23日に行われた、第41回向田邦子賞の贈賞式に、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(NHK総合ほか)の脚本で受賞を果たした三谷幸喜が登壇し、北条義時を演じた主演の小栗旬ら豪華キャスト陣も集結した。前半の三谷の受賞スピーチ、小栗の祝福コメントに続き、ドラマに出演した新垣結衣菅田将暉小池栄子生田斗真佐藤浩市大泉洋らが惜しみなく称賛の言葉を送った。

▶▶▶三谷幸喜&小栗旬のコメントはこちら(https://www.tvguide.or.jp/news/news-2305241/

◆大河ドラマ「鎌倉殿の13人」出演者 祝福コメント

【八重役・新垣結衣】

「初めての大河ドラマに出演する機会が、三谷さんが書かれた『鎌倉殿の13人』で本当に幸福なことだったなと思います。八重という人物もたくさんの方に愛していただけましたし、私自身も出演している最中も、そして、お空に行ってからも最後まで楽しめました。三谷さんの作品に登場する人物たちは、悪いところもチャーミングで、いいところはとてもドラマチックで、とてもすてきだなと思っていました。私も三谷さんの描く世界に関わることができて、本当にうれしく思います。このたびはおめでとうございます」

【源義経役・菅田将暉】

「三谷さん、おめでとうございます。僕は、今日はじめましてだと思っていたのですが、どうやらアカデミー賞の授賞式のトイレですれ違った際に源義経を思いついたとおっしゃってくださっていて、トイレであろうと気が抜けないなと思いつつも、その一瞬に一つの役を想起するそのエネルギーに感動しておりました。また、呼んでもらえるように頑張ります。本当におめでとうございます」

【北条政子役・小池栄子】

「三谷さん、このたびは本当におめでとうございます。三谷さんのおかげで1年半、とても楽しい時間を過ごせました。毎回どんな本が来るのか、どんなセリフを言わせていただくのかワクワクしながら過ごしました。そして今日、三谷さんのおかげでこうやって『鎌倉殿』のメンバーに再会できたというのも、とても感謝しております。ただ、『北条家の皆さん壇上にお願いします』と言われた際に、大泉さんが『俺はいつになったら北条家に入れるんだ』とぼやいていたので、そこのフォローだけよろしくお願いいたします」

【北条泰時役・坂口健太郎】

「成長著しい金剛として、旋風を巻き起こした坂口健太郎です(笑)。三谷さん、本当におめでとうございます。僕にとって『鎌倉殿の13人』は、大河ドラマとしても、時代劇としても初めてだったのですが、初めては一度しかないと思うので、最初のドラマとしてこの作品に出られたことを本当にうれしく思います。小栗さん含め、キャストの皆さんにすごく愛してもらえるキャラクターをいただいて、本当に心からうれしいです」

【北条時房役・瀬戸康史】

「三谷さんおめでとうございます。時房(トキューサ)役を演じさせていいただいたのですが、ほかの作品で、ほかの役を演じている時も、“トキューサ”でつぶやかれていました。それくらい皆さんに愛される役にしていただいて、本当にありがとうございました」

【善児役・梶原善】

「善児です。役者としてこんなに力を抜いて演じたことはなかったです。力を抜いて演じていても、自然に皆さんから評判をいただいて、でもそれは、僕の実力ではなくて、三谷さんの脚本がよくて…。(三谷が『ちょっと泣いてるの?』と声を掛ける)ごめんなさい、57にもなると、三谷さんが壇上に立っているだけでも、目が湿っちゃって。善は人前で泣いてはいけないって昔から言われていたんだけど。僕は38年間、三谷さんと一緒にやってきて、三谷さんには十分いい思いをさせてもらったので、もういいよとは言いません。これからもよろしくお願いします」

【のえ役・菊地凛子】

「三谷さん、おめでとうございます。私は三谷さんとちょっとした縁がありまして、ちょこちょこお会いする機会があったのですが、三谷さんの作品に出たいとずっとアピールしてきた20年でした。ようやく、のえというすてきな役をいただきまして、大河ドラマにも出させていただいて、本当にうれしかったです。そんな機会を与えていただいて、この片思いも通じたんだなと、20年間温めてきたかいがあったなと思いました。そして、こんなふうに三谷さんをお祝いする場所に来られてうれしいです」

【三浦義村役・山本耕史】

「三谷さん、おめでとうございます。三谷さんとは、26年くらいご一緒させていただいているのですが、毎回、違う役が回ってきます。すごく静かな青年だったり、荒くれ者だったり、とても頭がキレる役だったり、堅物だったり、僕のことをどう見ているのかなと、とても不思議には思うのですが、全部自分っぽいんですよね。僕を僕よりも知ってくださっていて、僕の知らない僕も引き出してくれるような、そんな三谷さんが、今回受賞されたと聞いて、自分が(賞を)とったんじゃないかっていうくらい、自分のことのようにうれしいです。これからもたくさんの作品を作ってくださると思うのですが、そこに僕がいつでも参加できるように、そういう状態に自分を常に追い込みながら、役者として頑張っていきたいと思います」

【畠山重忠役・中川大志】

「三谷さん、おめでとうございます。僕が三谷さんの作品に初めて参加させていただいたのは、2016年の『真田丸』で、当時自分は高校3年生でした。初めての三谷さんの作品で、豊臣秀頼という役も大きな反響をいただいて、その撮影が終わった後に、短い時間だったのですがお電話させていただいて、その時の役のお話と、そしてまたいつかお仕事できたらなというお話をさせていただいたぶりだったので、とてもうれしかったです。今回の畠山という役も、先週、家族で伊豆の修善寺に旅行に行ってきたのですが、どこに行っても声をかけていただいて、すごくすてきな役に出会えて本当に幸せです。また、お仕事できるように頑張りたいと思います」

【三浦義澄役・佐藤B作】

「三谷さん、本当におめでとうございます。劇団東京ヴォードヴィルショーが今年で50年になりますけど、30年以上前かな。いつも作家を探していて、選考委員の大石静さんにも脚本を書いていただけますかと電話でお願いしたら、『最近、三谷幸喜という面白い作家が出てきたよ』と。それで初めて拝見したのが『ショウ・マスト・ゴー・オン』という芝居で、素晴らしい喜劇を書く作家が出てきたなと思って、(劇団の)脚本をお願いしました。この人と出会ってからはいいことばっかりで、お客はすごく入るようになるし、地方公演で儲かるし、稽古場まで建てちゃったりして(笑)。稽古場の名前を付けようとした時に、三谷さんが来て『三谷ビルですね』とおっしゃったのが痛烈に忘れない一言になっています。こんな素晴らしい大河ドラマを書くまでの作家になったというのが、本人の努力でもあると思うし、ホントうれしいですよね」

【比企尼役・草笛光子】

「おめでとうございます。こんなところでおめでとうというのは初めてですね。長いお付き合いをさせていただき、面白い役をやらせていただきましたけれども、(「真田丸」で)最初にいただいた役は、もう今まさに死のうとしている時に『ちと、早すぎた』というセリフでした。こんな難しいことはなかったですよ。1週間悩みました。とっても悩んでやらせていただいたセリフで、忘れられません。私ももう先が短いですけども、あなたはまだこれからですから、いいものいっぱいお書きになって、私、あの世から見ていますから(笑)」

【源仲章役・生田斗真】

「三谷さんおめでとうございます。源仲章というとても嫌みな役をいただきました。おかげさまで、日本国中で『うっとうしかったです』『イライラしました』という声をたくさんいただきました。これほど冥利(みょうり)に尽きることはございません。また、もし次の機会がございましたら、もっとみんなに好かれる役をいただければと思っております」

【上総広常役・佐藤浩市】

「初めてお仕事させていただいたのは『新選組!』です。その時、三谷さんはここまでの巨匠ではなかったので、現場にはたまに来ていらっしゃって、撮影風景をご覧になっていましたね。でもなぜか僕のところにはやってこなくて、僕とほとんど口をきかなかった、なぜだか(三谷が『怖かったんです(笑)』と発言)。今、時代劇というものは二極化してきて、われわれが知っている、先人・先達が作ってきた時代劇と、今若い人たちの懐にポンと飛び込んでいける時代劇、それを作られる、しかもそれをいい意味でコンサバティブな大河ドラマの中でやられた三谷幸喜という人はすごいなと。やっぱり三谷さんの物の見方、感じ方、大河でこれをやりたいと思ったということ、すごいなと思いました。本当におめでとうございます」

【源頼朝役・大泉洋】

「三谷さん、向田邦子賞、大変おめでとうございます。本当にそうそうたる皆さんの後に、最後を飾るごあいさつということでご紹介いただきましたら、会場から笑いが起こったのは、大変印象的でございました。私が20歳の時に、演劇というものが面白いかどうかも分からず、とりあえず大学のサークルに入ってみたわけですけど、その時に見たのが、まさに善さんもB作さんもお出になられていました『ショウ・マスト・ゴー・オン』の再演でした。こんなに面白いものが演劇の中にあるんだと思いました。それから三谷さんと一緒にお仕事できると思っていなかったので、今、何本も仕事させてもらえるようになって、夢のような出来事ではあります。

源頼朝をいただいた時に、不勉強で鎌倉幕府を作った人ぐらいしか知らなかったものですから、三谷さんから『今度は頼朝です』と言われた時には、カッコいい役が来たなと思いました。こんなひどいことばかりする人だと知らなかったものですから、小栗くんのおかげではありますけど、昨年は『全部大泉のせい』と、どこにいっても言われてしまいまして。今回の『鎌倉殿』で一番印象的だったのが、15話の佐藤浩市さん演じる上総介(上総広常)を殺した回でした。放送が終わった後に仕事から帰ったら、『鎌倉殿』が大好きで毎週楽しみに見ていた小学校5年生の娘が玄関に駆けつけ、『パパ…何やってんだよ…上総介殺しちゃ駄目だよ。あれは三谷さんひどいよ』と。娘が私をおもんぱかっていたのが、大変印象深かったです。

私はそれで、日本中から嫌われる羽目になりまして。山梨の温泉に行った時に、年配の方から『大泉さん、私ね「鎌倉殿」見てあなたのこと嫌いになっちゃった』って言われてね。そんな時に、三谷さんは私に短いメールをくれました。「15話が終わって、やはりあなたは、日本中からの嫌われ者になってしまいましたね。でも僕は大好きです』といただいたのが、ホントに救いでございました。私は20歳くらいの頃からずっと三谷さんの作品で育ってきたし、楽しませてもらったと思っています。おそらく私のような方が、日本中にいるのではないかと思います。ホントにおめでとうという気持ちを込めまして、私のような人たちを代表して、今までたくさんの作品をありがとうございました」

贈賞式の最後は、会場に駆けつけたキャストたちと、作曲家のエバン・コール氏が三谷を囲み記念撮影。全員で受賞の喜びを分かち合った。

▶▶▶贈賞式の動画も公開中→https://youtu.be/OU-2-1rd634

<向田邦子賞とは>

故・向田邦子さんがテレビドラマの脚本家として、数々の作品を世に送り出し活躍してきた功績を称え、現在のテレビ界を支える優秀な脚本作家に贈られる賞として、1982年に制定。主催は「TVガイド」を発行する東京ニュース通信社で、選考は歴代受賞者らによる向田邦子賞委員会が担当。前年度に放送されたテレビドラマを対象に、選考委員がノミネート作品を選定。本選を含めて4回の討議を経て受賞作品を決定している。選考委員は池端俊策氏、大石静氏、岡田惠和氏、井上由美子氏、坂元裕二氏(向田邦子賞受賞順)。

© 株式会社東京ニュース通信社