保育園でおやつ後に体調急変 6カ月女児窒息、意識不明1カ月続く 市は6月にも検証委

女児が通っていた興教寺保育園=24日、姶良市西餅田

 鹿児島県姶良市西餅田の興教寺保育園(上原信園長)で4月、当時生後6カ月の女児がすりおろしたリンゴなどのおやつを食べた直後に体調が急変、窒息し意識不明の重体となっていることが24日、分かった。保育園は「保育中にあってはならないことが起こり申し訳ない」としている。

 同保育園などによると、女児は4月18日朝に登園。午後3時20分ごろ保育士が、おやつとしてすりおろしたリンゴと麦茶を与えた。約10分後に食べ終わり、服を着替えさせようとあおむけに寝かせたところ、様子が急変したという。顔色が悪いことに気づいた別の職員が119番し、鹿児島市内の病院に搬送された。

 当日は保育士が生のリンゴをおろし器ですり、離乳食用のスプーンで少しずつ与えていた。麦茶はあまり飲まなかったという。すったリンゴはこれまでもおやつとして出していた。部屋には普段、0歳児4人、1歳児12人がおり、保育士4人で対応している。

 園は、女児の保護者から現在まで意識不明の重体が続いていることや、窒息していたと説明を受けたという。搬送当日に姶良市に報告。4月25日と5月23日に保護者会を開いた。

 上原園長は「何が喉に詰まったかなど原因はいまだ分からない。他の保護者には明確になってから説明しようと考えていた。起こったことは早急に知らせるべきだった」と話している。

 姶良市は6月にも医師や保育関係者、弁護士らで構成する検証委員会を設置し、今回の事案の分析にあたる。

 県警は、保育士らから事情を聞くなどして捜査している。

園児が重体となった状況について取材に応じる上原信園長=24日、姶良市西餅田

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