黒部代表する新名物に 宇奈月開湯100年記念酒、源泉使った2種が完成

完成した100周年記念酒を披露する関係者=黒部市宇奈月温泉の旅館

  ●29日から旅館で提供、店頭販売

 黒部市宇奈月温泉開湯100周年を記念し、温泉街女将(おかみ)のプロデュースで市内2酒蔵が造っていた日本酒が完成した。お披露目会が24日開かれ、女将らが料理とともに味わい、同温泉の源泉を使用した日本酒の仕上がりに太鼓判を押した。29日から旅館での提供、店頭販売を始める。関係者は全国に通用する黒部の新たな名物にと期待を込めた。

 銀盤酒造、皇国晴(みくにはれ)酒造がそれぞれの蔵の特徴を生かしながら「心つべつべ(つるつる、すべすべの方言)/黒部の地酒・宇奈月」の共通名称で造った。

 銀盤は純米大吟醸で最終調整の加水に温泉水を使用、720ミリリットルで1500本の限定生産となった。皇国晴は仕込み水に100%温泉水を使い、酒米も黒部産にこだわった純米吟醸で、720ミリリットル400本、300ミリリットル600本用意した。温泉水使用でまろやかさやドライで軽い飲み口、滑るような喉越しが感じられるという。

  ●「自信持って薦める」

 宇奈月温泉のホテル黒部で開かれたお披露目会では、女将組織「かたかご会」の濱田昌子会長が「皆さんの努力の結晶として100年の節目にふさわしいお酒が完成した。お客に自信を持って薦める」とあいさつした。

 河田稔開湯100周年事業実行委員長は「宇奈月の新たな財産だ。次の100年につながる名物にしたい」と述べ、秋には宇奈月ダム貯蔵酒と合わせた酒祭りを開催すると紹介した。市担当者は全国展開に向け、販売戦略やPRを支援する考えを示した。

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