留学生の流出食い止め、兵庫で就職を 企業つなぐワンストップ窓口開設 経験豊富な相談員が橋渡し

ワンストップ相談窓口の担当者(左)と談笑する外国人留学生の女性2人=神戸市中央区脇浜町1

 兵庫県は、日本で就職したい外国人留学生と、外国人を雇用したい県内企業双方の相談を受け付け、マッチングにつなげるワンストップ窓口を開設した。都道府県による設置は関西では初という。(西井由比子)

 県内の39大学・短期大学が加盟する「大学コンソーシアムひょうご神戸」(神戸市中央区、兵庫国際交流会館内)内に設置。インターンシップ事業などを通して留学生の就職支援に携わってきた経験豊富な相談員が、留学生と大学、企業の橋渡し役を務める。

 県国際課によると、県内に在籍する外国人留学生は2016~20年の平均で7716人だが、県内に拠点を置く企業への就職者数は同626人にとどまる。「留学期間を経て帰国する学生もいるものの、相当数が東京、大阪など就職口の多い大都市圏に流出しているとみられる」と同課。新型コロナウイルス禍からの経済回復で人手不足感が強まる中、ワンストップ窓口を設けて支援体制を整え、県外への流出を食い止めたい考えだ。

 5月12日に開かれた開所式で、斎藤元彦知事は「人口の1割が外国人になるという将来推計がある中、外国人に生き生きと働いていただく必要がある。今日はそのための大きな一歩だ」とあいさつ。中国人留学生のタン・ヤンさん(29)=神戸大=は「神戸の住環境を気に入っているので、ここで働ければ」と期待を語った。アジアでの事業展開が好調で、今年4月に初めて中国人留学生を採用した白鶴酒造(神戸市東灘区)の人事担当者は「海外人材の定着のためにも、窓口にサポートしてほしい」と話した。

 窓口開設を受け、県と神戸市は6月21日、既卒か24年3月までに卒業予定の外国人向けに、「Work in KOBE&HYOGO 合同企業説明会」を、同市中央区浜辺通5の神戸サンボーホールで開く。アシックス(同市中央区)など海外に事業展開する企業や、海外からの宿泊客が増えているホテルニューアワジグループ(洲本市)など61社が参加。求める人材や業務について説明する。

 午前10時半~午後4時。参加無料。同説明会サイト=QRコード=の専用フォームから申し込む。問い合わせは電子メール(kobejobfair@pasona.co.jp)。大阪市内でも説明会を開催する予定。

 ワンストップ相談窓口TEL078.271.0233(祝日、年末年始などを除く月・水・金曜午前9時~午後4時)

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