セブン&アイ総会、社長続投可決 物言う株主の要求退ける

セブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長

 セブン&アイ・ホールディングスは25日、東京都内で定時株主総会を開き、井阪隆一社長の続投を可決した。井阪氏を含め会社が提案した取締役15人の選任を承認した。「物言う株主」の米投資会社バリューアクト・キャピタルは株主提案で、経営方針を巡り対立する井阪氏の退任を求め委任状争奪戦を展開したが、他の株主から十分な賛同を得られず退けられた。

 井阪氏は総会で、2023年2月期連結決算の好業績を強調。自身を中心とする経営体制で「世界トップクラスのグループへの飛躍を目指すことが可能だ」と訴えた。

 一方、バリューアクトは井阪氏や後藤克弘副社長らに代わり、弁護士ら4人を選任するよう提案した。

 セブン&アイは、バリューアクトが企業価値向上に向けた抜本的な改革として求めたコンビニ事業の即時の切り離し・独立を拒否した。業績不振が続く総合スーパー、イトーヨーカ堂の売却要求に対しても、不採算店の閉鎖などで改善を進める方針を示した。井阪氏はヨーカ堂が持つ生鮮食品などの調達力を生かすことで「相乗効果が花開く」と述べた。

セブン&アイ・ホールディングスの株主総会が開かれる会場=25日午前、東京都千代田区

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