Jリーグは「ポジティブな印象しかない」神戸退団のイニエスタは「まだわからない」と去就明言せず、サポーターには「感謝の言葉しかない」

写真:Getty Images

ヴィッセル神戸からの退団が決まった元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(39)が、25日に行われた記者会見でクラブやサポーターへの感謝を語った。

イニエスタは2018年7月に、バルセロナから神戸へ完全移籍で加入。世界トップクラスのテクニックでファンを魅了すると、これまで明治安田生命J1リーグで113試合に出場し、2019年にはクラブ史上初のタイトルとなった天皇杯優勝に貢献した。

しかし、今シーズンは負傷の影響もあり出遅れると、ここまで公式戦出場はわずか5試合のみに。こうした状況もあり、契約は今シーズン終了までとなっていたものの、シーズン終了を待たずに退団が決定した。

7月1日(土)に行われる第19節の北海道コンサドーレ札幌戦が、神戸での最後の試合となるイニエスタ。記者会見では神戸での5年間の日々を振り返りつつ、メディアの質問に答えた。

会見では涙を浮かべる場面もあったが、改めて現在の気持ちを聞かれると「特別な日であり、特別な感情が沸き上がってきます。ここにいるチームメイトやスタッフの方々とは、いろいろな経験を共にしてきました。チームを成長させるという目標をみんなで達成できたと思っていますし、それが誇りです。今は感謝の気持ちが一番心に残っています」と語り、仲間たちへの想いを強く口にしている。

常に声援を送り続けてくれたサポーターについては「感謝の言葉しかありません。彼らは良いときも悪いときも、無条件で愛情を示してくれました。彼らの力がなければ、難しい局面は乗り越えられませんでした。同時に、彼らが今まで経験しなかったタイトルや何かを勝ち取る喜びを届けられたのは、自分にとって誇りです」とし、深い感謝の言葉を述べた。

神戸での5年間でもっとも記憶に残る試合として、「1つだけ選ぶのは難しいですが、あえて言うなら天皇杯の決勝戦です」と回答。「すごく自分にとっては重要な局面でした。それ以外にも、ヴィッセル神戸でデビューした試合や、初ゴールを決めた試合が思い出として残っています。それから、ケガや成績が振るわない時期も苦い思い出ですが、自分をより良い人間に成長させてくれました。すべてのプロセスが、自分にとって特別だったと思います」と振り返っている。

神戸だけでなくJリーグ全体の印象についても触れ、「このリーグについてはポジティブな印象しか思い浮かびません。バルセロナを退団したとき、これからもベストなレベルでプレーしたい、競争力ある環境でプレーしたいという思いがあってここに来ました。そうした環境は整っているリーグだと感じましたし、今後も成長を続けて、世界のサッカーリーグについて考えるとき頭に浮かぶリーグの1つになると思います」と、その環境を絶賛している。

また、注目される今後の去就については「正直に言って、自分でもまだわかりません」と答えるにとどめ、「まずはここで残る時間をまっとうして、そこからどんな可能性が出てくるか、扉が開かれるかを見ていきたいです。自分としてはサッカーを続けたいし、ピッチでプレーしながら引退したいという想いが強くあります。ここではそれが難しいので、そうした場所を見つけたいです」と自身の考えを明らかにした。

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