ハマる人続出!今話題の「モルック」ってなにが楽しいの?

モルックは、フィンランドのカレリア地方に伝わる「kyykkä」というゲームをもとに作られたスポーツ。最近ではアウトドアとの親和性が高いレクリエーションとして注目を集め、今週末には金沢市で「第1回モルックジャパンオープン」が、2024年には北海道函館市で世界大会が開催されるなど、日本でもブームの兆しを見せています。

そんなモルックですが、なぜハマる人が続出しているのか。ジャパンオープンの参加者が集まる練習会に潜入して、その面白さを確かめてきました。

ルールはシンプル!だからこそ奥が深い

県民スポレクプラザ多目的コートにて

まずはモルックの基本的なルールを確認。

木の棒(モルック)を木製のピン(スキットル)にめがけて投げる
倒したスキットルに書かれた数字、2本以上倒れた場合はその本数の得点が入る
50点ピッタリになるまで得点したチームの勝利
50点を超えたら25点まで減ってゲームは継続
3回連続でスキットルを倒せないなどのミスが続いたら失格

ざっくりとこんな感じ。あとはやりながら覚えましょう。

ちなみにこれがモルック。投げ方は色々ありますが、基本は下手投げです。

こちらがスキットル。数字は1から12まであります。

基本的には2チーム以上で対戦するもので、世界大会では4人1チームと決められていますが、遊ぶだけなら1対1の個人戦でもオッケー。それではさっそくゲームに参加してみましょう。

脳トレにもなる?モルックの本当の面白さ

今回お相手していただくのは、首都ヘルシンキの街歩きマップを自費出版するなど、フィンランドの文化や歴史に造詣が深い、金沢東山のブックカフェ「あうん堂」の本多博行さん。モルック歴10年のベテランプレイヤーでもあります。

まずはスキットルを決められた順番通りにセッティング。

さらば青春の光(森田氏はモルック日本代表として世界大会に出場)のYouTube動画を見ていたので何となくルールや戦術面は理解していますが、じつは実際にプレイするのははじめて。とはいえ現地ではビール片手にバーベキューをしながら遊ぶようなスポーツ。気楽に行きましょう(Take It Easy♪)

えいっ!

からの?

4点!

野球部時代にはノーコンで知られた筆者としては、命中しただけでも大満足です。

続いては本多さん。う〜ん、さすがフォームがキレイですね。

こちらも4点!

序盤は投げる位置とスキットルとの距離が近いので比較的当てやすいのですが、スキットルは倒された地点で再び立てられるので、どんどん広がって倒すのが難しくなっていきます。

そして勝負が進むこと第8投目、前投で47点に達した本多さんにチャンスが訪れます。3番のスキットルもしくは3本のスキットルを倒せば勝利。果たして結果は?

あーっと残念!6番のスキットルも倒れて49点。今後50点になるためには1番のスキットルのみを倒さないといけません。

この50点ジャストというルールがポイントで、それによって「1番のスキットルを倒させないために邪魔しちゃお」といった戦略的な要素が加わります。この心理戦こそがモルックの面白さであり醍醐味。実際に筆者は1番のスキットルだけを倒されないよう、7番と寄り添っている状態を壊さずにゲームを進める選択をしました。このあと本多さんは50点オーバーで25点に減点。

そして17投目。ついに筆者にもチャンスが訪れます。スコアは40点。10番のスキットルを倒せば勝利です。

奇跡よ、起これ!

なんと!見事に10番のスキットルに命中。ジャイアントキリングの達成です!

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ゲーム後の本多さんにモルックの魅力を聞いてみた

ー本多さんはどうしてモルックを始めようと思ったんですか?
本多さん:10年ほど前になりますかね。フィンランドへ留学経験のあるお客さんに「こんな面白い遊びがある」って紹介してもらって、常連さんたちと金沢の城址公園で遊んでみたんですよ。それがまた面白くて、どんどんハマっていきました。

ー以前、犀川の河川敷を歩いていたときに体験会をやっていたのを目撃しました。今もやられているんですか?
本多さん:そうですね。頻繁というわけにはいきませんがタイミングをみて。ただ、金沢でジャパンオープンが開かれて、来年には新幹線も福井まで延伸するので、今後は北陸三県の大会も開いていけたらと思っています。

ーずばりモルックの魅力とは?
本多さん:まずは手軽に遊べること。場所を取らないし、人数も2人からできます。それから自分だけでなく相手の得点も計算しながらプレイするなので頭の体操にもなる。ルールはシンプルだけど、とても奥深さのあるスポーツだと思います。

ーたしかに相手がどのスキットルを狙うかを予測して作戦を立てる、戦略的なスキルも必要だと感じました。心理的な駆け引きも面白いですよね。
本多さん:そうですね。介護施設などでは高齢者向けのレクリエーションとしても取り入れられていて、子供からお年寄りまで年齢関係なく楽しめるのもひとつの魅力だと思います。

ー今回そうだったように、僕みたいな初心者でも経験者に勝てるチャンスがあるのも良いですね。
本多さん:そうそう。それにしても悔しかったなぁ〜。

ーモルックをやっていて一番楽しいのはどんな瞬間ですか?
本多さん:やっぱり狙ったスキットルを倒したときですね。

ーどうしたら狙ったスキットルを倒せるようになるんですか?
本多さん:日本モルック協会をはじめYouTubeにたくさん動画が出ているので、まずはそれを参考にするのが良いと思います。

ーなるほど。
本多さん:ちなみに私の場合はコントロールを意識して、体全体で投げるように心がけています。手投げになるとどうしてもコントロールが安定しないんですよ。

ーありがとうございました。ジャパンオープンがんばってください!
本多さん:はい!悔しいのでもうちょっと練習して帰ります(笑)

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(撮影/林 賢一郎)

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