日本代表の最新メンバーが25日に発表され、サンフレッチェ広島のMF川村拓夢が初招集された。
田中碧が負傷離脱しており、中盤の選手が新たに招集されることは予想されていた。
ただ川村の初招集は、サッカーファンはもちろんおそらくはサンフレッチェ広島のサポーターにとっても驚きであろう。
クラブ公式には「今回、日本代表に選出されて、正直、とても驚いています。日本代表は小さなときから見ていた憧れの場所でしたので、まずはそこに一歩近付けて嬉しく思います。選ばれたからには、自分の持ち味を出せるように力を出し切りたいと思います」という川村のちょっと困惑した様子のコメントが掲載されている。
では川村拓夢とは一体どんな選手なのだろうか。
川村拓夢はスキッベサッカーの申し子
川村は現在23歳。広島生まれ広島育ち、クラブにはジュニアユース(中学生年代)の頃から所属する生粋の広島っ子だ。
2018年にトップ昇格するが若く出番がなかったため、2019年から愛媛FCに3シーズン期限付き移籍。2020年に39試合6ゴール、34試合8ゴールと結果を残すと、2022年にクラブへ復帰した。
頭角を現したのは、ドイツ人指揮官ミヒャエル・スキッベ監督が就任した昨年のこと。
夏頃からボランチや左サイドで起用されはじめ、16試合3ゴールを記録。そして今年に入ってからは完全にレギュラーを掴み、主に2シャドーの一角で起用されている。
スキッベ監督の川村への入れ込みは相当なようにみえる。
日本代表を経験した森島司や満田誠が試合展開に応じて役割やポジションを変更したり交代することがある中で、川村は全13試合に先発しており途中交代もわずかに1試合しかないのだ。
昨年、優秀監督賞に輝いたスキッベ監督が「最も推している選手」ということができるかもしれない。
川村拓夢のシュートは鬼
川村の特徴はなんといってもシュートだ。
利き足である左足から放たれる一撃はレーザービームのように強烈で、昨年の天皇杯決勝でもヴァンフォーレ甲府から素晴らしいシュートを決めている。
これは強烈!
また、昨年9月の清水エスパルス戦で記録した60m級のゴールは、昨シーズンの「最優秀ゴール賞」に輝いた。
すごい!
ポジションこそシャドーやボランチだが実質シューターといっていい。さらに身長も183cmあり、ゴール前ではヘディングの高さも一つの武器になっている。
大柄でヨーロッパのリーグで見られるような強烈なシュートが放てる。こうした特徴もスキッベ監督が好む要素なのだろう。
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ただ札幌との今シーズン開幕戦ではシュートがラインを割ったものの認められない不運にもあい(後に誤審だったと謝罪)、ここまで2得点。
森保一監督は発表会見で川村の特徴を「ダイナモ」と表現していたが、ボールに関与する回数がもっと増えればゴール数も伸びていくはずだ。
端正な顔立ちも特徴の23歳にぜひ注目してほしい。