いわゆる「袴田事件」で死刑判決を受けていた袴田巖さん(87)のやり直し裁判をめぐり、弁護団は5月25日、裁判所に対して袴田さんの出廷の免除を速やかに認めるよう意見書を提出しました。
袴田巖さんは1966年、旧清水市(現静岡市清水区)で一家4人が殺害された事件で死刑が確定しましたが、2023年3月、再審=裁判のやり直しが決まりました。
やり直しの裁判に向けて弁護団は25日、静岡地裁に対して袴田さんの出廷の免除を速やかに認めるよう意見書を提出しました。理由について弁護団は長年にわたり拘置された袴田さんには精神的に不安定な状況が続く「拘禁反応」がみられ、精神科医によって現在もその状況が続いていると診断されたと訴えています。
<袴田事件弁護団 小川秀世弁護士>
「(袴田さんは)裁判所に出頭を強制されるなんてことは、敏感に反応してものすごい恐怖なんですよ。今までのことがありますから。裁判所にはもう出なくていいということをはっきりと早く確認してもらうことが、袴田さんの不安を取り除き、平穏に生活できる基本」
また、意見書では有罪立証をするかどうか明らかにしていない検察に対して、速やかに方針を決めるよう裁判所から指揮してほしいと求めています。
再審に向けた裁判所、弁護団、検察による次の三者協議は5月29日に予定されています。