県立知的障害者施設「中井やまゆり園」（中井町）で利用者への虐待事案が相次いで発覚した問題で、県は25日、適切な対応を怠ったなどとして同園の男性園長（58）を減給10分の1（3カ月）の懲戒処分とした。利用者への不適切な対応が確認された同園職員7人も口頭訓戒や厳重注意の措置とした。事案の重大性などを踏まえ、黒岩祐治知事は自身の給料減額に関する条例改正案を開会中の県議会に提案する意向。県の障害福祉行政を揺るがす不祥事は、トップが責任を取る事態に発展した。
このほか、処分対象の事案があった時点にさかのぼり、関係した局長、部長級ら幹部職員15人も監督責任で文書訓戒や口頭訓戒となった。一連の不祥事で処分や措置を受けたのは計23人に上った。園の業務を所管する副知事も給料の自主返納を検討する。
黒岩知事は「利用者や家族におわび申し上げるとともに、障害福祉行政に対する県民の信用失墜を招き、責任を痛感している。園の改革を進め、当事者目線の障害福祉を実現できるよう全力で取り組む」とコメントした。
