ターニングポイントは「4月の4連戦」…248日も首位で過ごしたアーセナル、アルテタ監督が語る優勝へのカギ「結局倒さなければ」

写真:Getty Images

アーセナルのミケル・アルテタ監督がシーズン最終戦を前に、今シーズンを総括した。クラブ公式サイトが伝えた。

2019年12月にアーセナルの監督に就任したアルテタ監督。自身4シーズン目となった今シーズンは、古巣のマンチェスター・シティからブラジル代表FWガブリエウ・ジェズス、ウクライナ代表DFオレクサンドル・ジンチェンコを補強。自身が推し進めるスタイルを体現すべく、良く知る選手を加えた。

すると、昨シーズンは最悪のスタートを切った中、今シーズンのアーセナルは開幕から好調を維持。開幕5連勝スタートとなると、マンチェスター・ユナイテッドに敗れるも、その後も連勝を続け、リーグ戦は2月までわずか1敗をキープ。首位を走り続けていたが、終盤にケガ人が相次いだこともあり失速。シティに追い抜かれ、19年ぶりの優勝に失敗していた。

しかし、2位でのフィニッシュが決定し、7シーズンぶりにチャンピオンズリーグ(CL)の舞台に復活することが決定した。

アルテタ監督は逆転優勝を許したことは残念がりながらも、シーズン前に予想していたことよりも遥かに大きなことを成し遂げたとチームを称え、更なる成長を誓った。

「我々はあと5、6試合を残してチャンピオンズリーグ出場を果たし、2位でフィニッシュした。多くの選手を育成し、彼らをキャリアの非常に異なる段階に連れて行き、チームに大きく貢献してくれたと思う。ファンベースとの大きな関係を築き、発展させ、チームの周りに何か特別なものを生み出してきた」

「そのように考えると、シーズンから得られるポジティブな点はたくさんある。おそらく、チームが持っていた能力、リソースを考えれば、予想以上のものだろう。ただ、我々はプレミアリーグの頂点で248日間を過ごしたが、最終的に優勝するのに十分な力が示せなかった」

「我々は最善を尽くし、いくつかのミスを犯し、それにより犠牲となったが、現実には祝福しなければならないチームがある。それはマンチェスター・シティであり、ペップ、そして彼らのコーチングスタッフだ」

「38試合を通して、彼らはより安定していた。そうなれば、握手をし、祝福し、シーズン中にうまくいったことの多くを取り入れ、それを保ち、別のレベルに進むために、変えるべきこと、改善すべきことを学ぶ必要がある」

監督の言う通り、首位に長らくいながらも最後に失速してしまったアーセナル。ターニングポイントは、シーズン最終盤の4月に入ってからの戦いだったと振り返り、リバプール戦で2点差を追い付かれたところからスタートしたとコメント。ただ、結局のところ、直接対決で勝つことが大事だったと振り返った。

「アンフィールドで2-0とリードしていて、90分に試合を引き分け、ウェストハムでは20分で2-0とリードし、完全に試合を支配していたのにPKを外してしまった。勝たなければならなかった」

「そしてサウサンプトンでは、序盤に2点を与え、山を越えなければならず。最後は勝てたのに3-3で引き分けてしまい、4試合目のシティ戦が重要となった」

「公平に言うと、彼らは我々よりもずっと優れていた。先日のレアル・マドリー戦のようにレベルを上げており、そのレベルでプレーされると『凄い』と言う感じになる。そこには到達できなかった。それはチームにとって、心理的に大きな代償を払うこととなった」

「振り返ってみれば、たとえアンフィールドでも、ウェストハムやサウサンプトンに勝っていたとしても、まだ2位になれたかもしれない。結局のところ、彼らとの直接対決では、倒さなければいけない」

「なぜなら、それは12ポイントになる。我々が彼らより6ポイント多く、彼らは6ポイント少ないことになるからだ」

アーセナルとシティは最終節を残して勝ち点差は「8」。直接対決で仮に連敗ではなく連勝していれば、勝ち点差「4」でアーセナルが首位に立っており、優勝していたことに。ライバルとの直接対決の大切さを改めて感じさせられるシーズンとなった。

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