万博契機の産業振興を 近畿ブロック知事会が「白うさぎ宣言」

大阪・関西万博の成功などを祈願して参拝した各府県知事=25日、鳥取市白兎の白兎神社

 鳥取県を含む10府県で構成する近畿ブロック知事会(会長・山下真奈良県知事)は25日、鳥取市内で会議を開き、大阪・関西万博の成功祈願などを盛り込んだ「鳥取白うさぎ宣言」を採択した。

 鳥取県での開催は5年ぶり4回目で、知事らは会議に先立ち鳥取砂丘コナン空港、白兎神社を視察した。会議は、同市伏野の県立福祉人材研修センターで開催。同宣言には、万博を契機とした次世代産業の振興や安心して子どもを産み育てられる取り組みの推進、平和で安心な社会の実現などを盛り込んだ。

 会議では国への要望内容も協議し、文化財の保存や活用への国庫補助▽2020年度に創設された「緊急浚渫(しゅんせつ)推進事業債」の25年度以降の延長▽インバウンド(訪日客)需要拡大に向けた財政支援-などを明記することが決まった。

 鳥取県の平井伸治知事は、昨今の選挙での投票率低下を踏まえ、有権者の政治参加促進のために国による財政措置を含めた支援を求めたほか、人口減による買い物や交通、医療を含む生活環境確保について「国に対応する施策がない」と指摘。分野別の支援策の必要性を提起した。

 同会議終了後、平井知事は民主主義や選挙制度に関する積極的な議論に触れ「現場から提案すべき事があると感じた」と述べ、「地域を守り建設していく同志として思いを一つにまとめていこうという機運が生まれたことを心強く思う」と同知事会議の成果を語った。

© 株式会社新日本海新聞社