学生ベンチャー食堂 2店舗“参戦” 経営知識、スキル学ぶ 千葉商科大

学生ベンチャー食堂をオープンした(右から)「翔天」の森さんと椎名さん、「彩食菜」の野々村さん=市川市

 学生の起業を応援する千葉商科大学(市川市)内の「学生ベンチャー食堂」に2店舗がオープンした。商経学部4年の森天馬さん(21)と人間社会学部3年の椎名飛翔さん(20)が軽食の「翔天」を新規開店。商経学部4年の野々村青矢さん(21)は前任者から店名や設備を引き継ぎ「彩食菜」を開いた。隣り合う両店だが「競いつつ、仲良くやりたい」とエールを交換した。

 同食堂は、学生に経営の知識やスキルを身につけてもらおうと同大が2011年に開始。テナント料は無料だが、運営費や税金は学生が負担し、赤字になっても大学からの補てんはないなど本格的な飲食店経営を体験できる。3店舗中、2店舗の閉店が決まり、希望者を学内から募っていた。

 「翔天」のメニューはフライドポテト、チキンナゲット、チュロスの3品。森さんは同食堂を希望して同大に入学したが、新型コロナ禍などでチャンスに恵まれず、4年生の今年を「最後の挑戦」と決め、後輩の椎名さんと組んで応募した。

 キャンパスに競合店のない「ホットスナック」なら需要が見込めるとしたが、1月末の審査で一度差し戻しに。どんな味や形のフライドポテトが好きかなど、アンケートで学生のニーズを把握して承認された。開業資金約70万円は2人で準備。森さんは念願がかない「期間限定でかき氷なども提供できれば」と期待を膨らます。椎名さんは「みんなが笑顔になる店に」と笑った。

 野々村さんは4年半営業を続けた前任者の卒業に伴い、丼もの中心の「彩食菜」を引き継いだ。昨年1月から同店でアルバイトをする中で継承を決意。カツ丼や鶏そぼろ丼など人気メニューに加え、男子学生をターゲットに、出身の岐阜県でおなじみの味噌カツ丼やオムバーグと「がっつり系」を新たに加えた。

 北海道など各地の人気料理も企画中。「前の『彩食菜』を越える店にしたい」と意気込んだ。

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