長崎県教育長、離島留学生らと意見交換 環境改善に意欲示す 移動教委で対馬視察

対馬高の離島留学生らと意見交換した中﨑教育長(右から2人目)ら=対馬市厳原町

 長崎県の教育委員らが県内の学校などを視察する「移動教育委員会」が25日、対馬市であった。中﨑謙司教育長は県立対馬高(辻俊郎校長、382人)の離島留学生らと意見交換し、教育環境改善に意欲を示した。
 教育現場の現状や問題点を把握し、教育行政の充実を図る目的。対馬高には韓国語を専門的に学ぶ「国際文化交流科」があり、島外からの離島留学生は54人が在籍。市内の寮などで生活している。
 中﨑教育長らは同校を訪問し、教員や離島留学生らと意見交換。韓国との交流が盛んな同学科の教育活動について説明を受け、校内にある虹の原特別支援学校高等部対馬分教室の生徒からも聞き取りをした。対馬高側は離島留学生らの交通費や、寮に寝泊まりする教員の負担軽減を求めたほか、一部生徒からは寮の風呂を使いやすくしてほしいとの声が上がった。
 県の離島留学制度で県立壱岐高に在籍していた男子生徒が死亡した事案を踏まえ、中﨑教育長は取材に「よりよい離島留学制度構築のためには、子どもたちの教育環境の整備が大切。できることはしっかり検討したい」と前向きな姿勢を示した。
 同市での移動教育委員会は26日まであり、対馬博物館などを視察する。

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