
国が川辺川に建設予定の流水型ダムの貯水時、一部地区の水没が想定される熊本県五木村の新たな振興計画について、斉藤鉄夫国土交通相は26日の閣議後会見で「しっかり取り組む」と述べた。
国や県、村が合意した振興計画は流水型ダムの文言を削除し、建設と切り離した形。ただ、村民には「振興策はダム建設の見返りではないか」との声も根強い。斉藤国交相は「ダム建設の文言の有無にかかわらず、振興策にはしっかり取り組む」と強調した。
五木村とダム建設予定地がある相良村がダムへの賛否を示していないことに対し、斉藤国交相は「ダムの構造や、現在進めている環境影響評価の結果について、丁寧に説明し、理解を得たい」とした。
五木村の振興計画は人口減少対策や観光振興策を盛り込んでいる。県は2023年度から約20年間で総額100億円規模の財政支援をする考え。(髙宗亮輔)