ライカ、コンパクトデジタルカメラ「ライカQ」シリーズの第3世代「ライカQ3」発売

ライカカメラ社(以下:ライカ)は、コンパクトデジタルカメラ「ライカQ」シリーズの第3世代となる新機種「ライカQ3」を2023年6月3日に発売する。ライカオンラインストアでの販売価格は税込902,000円。

「ライカQ」シリーズは2015年に誕生。高品質を追求するクラフツマンシップ、タイムレスで洗練されたデザイン、そしてシンプルな操作性を特長とする、単焦点レンズ搭載の35mmフルサイズコンパクトデジタルカメラだ。

今回新たに登場するライカQ3は、「ライカQ」シリーズをさらに進化させたものだという。同クラス有数の明るさを誇るレンズ、マクロ機能や動画撮影などの従来機能・性能はそのままに、数多くの機能が新たに追加され、これまで以上に高品質で美しい写真や動画を撮影できるとしている。

ライカQ3の要といえるのが、トリプルレゾリューション技術を取り入れた新しい裏面照射型CMOSセンサーだ。この撮像素子では、記録画素数を6000万画素、3600万画素、1800万画素の3種類から選んでDNG(RAW)形式またはJPEG形式で画像を記録可能。6000万画素を選べば、被写体のディテールや質感まで捉えられるという。3600万画素や1800万画素を選んだ場合には、カメラの高速性能の十分な活用、連写持続性の向上、ファイルサイズを小さくセーブできる、などのメリットがある。

どの記録画素数を選んだ場合も、撮像素子の全域を使用して撮影する。ISO感度の設定範囲はISO 50~100000です。また、パナソニック社との協業による「L² Technology(エルスクエア・テクノロジー)」から生まれた「LEICA MAESTRO(ライカ・マエストロ)」シリーズ最新世代の画像処理エンジンを搭載し、動作速度もさらに向上したという。

レンズはライカを代表する大口径レンズ「ライカ ズミルックスf1.7/28mm ASPH.」を採用。このレンズは最短撮影距離17cmのマクロに設定して撮影できる。高精細な画像が撮影できることに加え、デジタルズーム機能を使っての撮影も可能。デジタルズーム機能では、28mm、35mm、50mm、75mm、90mm相当の画角を選べる。

また、「ライカ・パースペクティブ・コントロール(LPC)」と「ライカ・ダイナミックレンジ(LDR)」という2種類の実用的な撮影アシスト機能も新たに追加。これらの機能を使えば美しいJPEG画像を生成でき、撮影後の処理は不要だとしている。

オートフォーカスシステムも大幅に進化している。まず、位相差検出方式を追加したハイブリッドオートフォーカスシステムを新たに採用したことで、さらに高速・高精度なピント合わせや追尾が可能になった。

また、空間認識(DFD)技術も新たに採用。精度の点では最も優れているコントラスト検出方式に、位相差検出方式、DFD技術、そしてインテリジェントな物体認識技術を組み合わせたオートフォーカスシステムが被写体をシャープかつ鮮明に捉えるという。また、576万ドットの新しい有機ELファインダーを搭載し、被写体をクリアかつシャープに映し出す。

液晶モニターは高精細3.0型のタッチパネル液晶で、新しい機構によるチルト式が採用された。これにより、撮影時のアングルの自由度が高まり、クリエイティビティをより自由に発揮した写真表現や映像表現が実現可能。また、チルト式の液晶モニターを採用しながら、防塵・防滴性能では「ライカQ2」と同じIP52相当を確保している。

接続性については、ライカQ2と同様にBluetoothやWi-Fiによってシームレスかつ高速な通信が可能。ライカQ3は高度な通信技術であるMIMO(Multiple Input Multiple Output)にも対応しており、ライカ専用アプリ「Leica FOTOS」へのデータ転送速度が「ライカQ2」に比べて約10倍速くなった。これにより、モバイル機器と連携してのクリエイティブな制作ワークフローがよりスムーズになる。

また、「Leica FOTOS」との新たな連携機能として、動画データもモバイル機器へ転送できるようになったほか、JPEG画像を独特の美しい印象に仕上げることができる「Leica Looks」を「Leica FOTOS」からダウンロード可能。「Leica FOTOS」との安定した接続と高速転送速度はこれらの新機能を利用する際にも活かされるという。

さらに、接続モードをエコモードやハイパフォーマンスモードに設定するなど、モバイルワークフローの効率化やライカQ3の電力消費を抑えることもできるようになった。また、ライカQ3は「Made for iPhone」「Made for iPad」としてApple社の認定を受けており、付属のLeica FOTOSケーブルで接続すればiPhoneやiPadユーザーもライカQ3を活用できる。

動画撮影については、8K動画が記録可能になったほか、効率的なコーデックであるH.265やApple ProRes RAWにも対応。HDMI端子とUSB Type-C端子も新たに実装し、ジンバルやモバイルバッテリー、外部ディスプレイレコーダーなどとも接続できる。USB Type-C端子を活用すれば「Capture One」や「Adobe Photoshop Lightroom」でのテザー撮影も可能になった。

ライカQ3では専用アクセサリーとして新たに登場するハンドグリップとワイヤレスチャージャーにより、ワイヤレス充電が可能。充電パッドは高性能な専用バッテリー「BP-SCL6」やQi対応のデバイスをワイヤレス充電できる。

ライカQ3はアクセサリーも充実しており、プロテクター、レンズキャップ、レトロなデザインのレンズフード、サムレスト、レリーズボタン、そしてホットシューカバーをラインナップし、いずれも3種類のカラーバリエーションで展開される。

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