中山咲月&植村颯太、BLの金字塔『タクミくんシリーズ』への想いを語る「年齢や性別、いろんな人に見てほしい」

1992年に第1巻が刊行され、シリーズ累計500万部を超える伝説の大人気ボーイズラブ小説「タクミくんシリーズ」がフレッシュなキャストで実写映画化!
今作は「タクミくんシリーズ 完全版1」小説のうち『暁を待つまで』『そして春風にささやいて』『長い長い物語の始まりの朝。』の3タイトルをもとにしたストーリー。
5月27日(土)より『タクミくんシリーズ ⻑い⻑い物語の始まりの朝。』がシアター・イメージフォーラムほかにて全国順次公開されます。

タクミとギイを中心とした物語の中で、もうひとつの注目ポイントは学年一の美しいとも噂される華やかな美少年・高林泉と、寡黙で無骨ながらも高林に深く惹かれている吉沢道雄という、意外性のあるサイドカップルの恋模様。

左:中山咲月さん、右:植村颯太さん

高林泉役には「仮面ライダー ゼロワン」「映画刀剣乱舞-黎明-」ほか話題作に多数出演で大活躍中の中山咲月さん、また吉沢道雄役には青春恋愛リアリティショー「今日、好きになりました。」やTVCM「Google Pixel」出演などで話題の植村颯太さんというコンビ。

さっそく本作で高林泉を演じた中山咲月さん、吉沢道雄を演じた植村颯太さんのお二人を直撃インタビュー。本作への想い、そして自身が演じた役柄などについて伺いました。純粋なラブストーリーにキュン!

“BL”と括らなくてもキュンとする。“愛”がある物語

――改めて本作に出演が決まったときのお気持ちをお聞かせください。原作は“学園BL小説の金字塔”とも言われている作品ですが、プレッシャーなどはありましたか?

中山咲月さん(以下、中山):もちろん嬉しかったのですが、長い間ずっと愛されている作品でもあるし、すでに過去作品で演じられていた方がいる役を演じるのはプレッシャーでした。でも、だからこそ過去作品を観て勉強してそして挑みたいという気持ちでした。

植村颯太さん(以下、植村):僕はシンプルに嬉しかったです。ただ、僕自身まだ芝居経験が浅いのもあるので、こんなに有名な作品で、吉沢道雄という役を演じることになったという緊張感がずっとありました。実は撮影が終わってもまだ緊張感が残っているくらいです。

――原作や脚本を読まれたときの感想を教えてください。

中山:シンプルで真っ直ぐなラブストーリーという印象です。「BLだから」とか「BLってこうだよね」という前提がなくてもキュンキュンする恋愛模様を描かれていて純粋に楽しめました。
過去シリーズの頃よりBLを受け入れやすくなっている時代ですが、特別なことではなく元々“あった”ものが受け入れやすくなっただけなのかなと。そういう意味で少女漫画と何ら変わらないんですよね。

植村:わかります。僕も原作を読ませて頂いて、そして脚本を頂いて読んだ時にやっぱりそこにある“愛”が理解できると感じました。
僕はもともとBL作品に挑戦したかったんです。役者人生において“恋愛作品”は挑戦したかったジャンルで特にBL作品は個人的に興味があって。なので、今回は心や記憶に残るような貴重な経験をさせていただきました。

植村「やっぱり咲月さんは上手いんです!(笑)」

――本作でのお二人は、高林泉と吉沢道雄という意外性のあるカップルですね。演じて感じた気持ちをお聞かせください。

中山:今回の劇中では、吉沢と高林の恋愛的な部分が直接描かれているところはないのですが、吉沢が高林の心に真正面からぶつかってくれるシーンが、いちばん二人の関わりの中で濃かった部分です。アクションもあったし、こうやった方がいいんじゃないか、など二人でセッションしながら作り上げていきました。

植村:やっぱり咲月さんは上手いんです!(笑) 僕はアクション未経験だったので本当に勉強になりました。

――具体的にどんなアドバイスをされたのでしょうか?

中山:植村さんがこちらに殴りかかってくるシーンがあって。自分が今まで他作品で経験した中でも戦うシーンが多かったので、どういう角度が画面上でカッコ良く見えるのか、力強く見えるか……などを伝えたりしました。植村さんは本当に飲み込みが早かったです。

植村:そうなんです! カメラの前での芝居だけではなく、カメラの中で“魅せる”という点において、役者人生の中でめちゃくちゃ学べました。“高林泉”というパートナーが咲月さんで良かったと思っています。僕は芝居経験がまだ浅いのですが、咲月さんの背中をみて役への向き合い方、演技への姿勢や心構えを、今回は本当に学ばせてもらいました。咲月さん、ありがとうございました!(一礼)

中山「植村さんはふわっとした柔らか気質です」

――それぞれが演じられた役柄について伺います。“ツンデレな高林泉らしさ”を表現するために中山さんはどう解釈しましたか?

中山:この役を頂いた時に、自分自身と高林くんはほぼ真逆な性格だなあと感じました。もし自分だったら、あんなに積極的にギイに話しかけたりできないので(笑)。

でも、客観的に見ると高林くんみたいな性格の子がすごく好きなんです。なので、まずこんな子がいたら可愛いな、と自分が思う高林くん像を頭の中で作り上げてから、自分にイメージを入れていきました。

――高林泉のどんなところが好きですか?

中山:もう一生懸命というか、まっすぐに「好き!」という想いを表現するところ。自分がされたらめちゃくちゃ嬉しいですね。かと思えばツンツンするところも可愛くて。彼が持っている二面性、どちらの側面も良いなあと。

――古風で寡黙、いざという時に行動力のある吉沢道雄は、正反対の奔放で華やかな高林泉に惹かれていきます。植村さんはどう解釈し演じられましたか?

植村:吉沢を作り上げていく上で、まずは僕自身との共通点を探していきました。吉沢は芯があるところが魅力的ですよね。吉沢を理解するためにはとにかく脚本を読みまくりました。いろんな情報を積み上げて少しずつ着実に作り上げていこうと。

自分の意志をしっかり持っている吉沢と、フワフワしている僕とはだいぶ性格が違っていて難しかったです…‥(笑)。

――(笑)。植村さんは撮影現場のムードメーカーだったそうですね。

中山:植村さんはふわっとした天然の柔らか気質です(笑)。現場がピリピリしている時に、スーッと現れた植村さんの「星が綺麗だよ」なんて一言で場が和んでしまって。植村さんはみんなに愛されてました。
カメラが回っていない時はみんなで写真を撮りあったして、本当に学校みたいな明るい現場でした。

植村:この現場は本当に温かくて、星が綺麗で!(笑) 僕は皆さんをみて学ぶことが多く、たくさん吸収したいと思って臨んでいました。今後もずっと記憶に残るような撮影期間でした。

色んな視点で見て、愛してほしい

――最後にメッセージをお願いします。

中山:今回の映画は原作を知っている方も未読の方も、年齢・性別関係なく色んな方々に観ていただきたいと思っています。
そして個人的に、高林くんはタクミとギイの視点で見るとあまり良くない役なのですが(笑)、徐々に高林くんの良さが見えてくると思うので、色んな視点で見て楽しんでみてください。

植村:新たにこうして映像作品になった本作をぜひたくさんの方々に愛していただけたら。僕はもうすでに本作を愛しています!(笑)
このピュアなラブストーリーで、たくさんの方々にキュンキュンしてほしいです。タクミとギイはもちろん僕たちも素敵に描かれていますので、どうぞよろしくお願いします。

――ありがとうございました!

中山咲月さん・植村颯太さん
ヘアメイク:伊東真美

(執筆:加藤日奈、撮影:徳永徹)

作品概要

『タクミくんシリーズ ⻑い⻑い物語の始まりの朝。』

出演:森下紫温 加藤大悟
中山咲月 高橋璃央 野口友輔 植村颯太 永島龍之介 坪倉康晴 木津つばさ
原作:ごとうしのぶ(「暁を待つまで」「そして春風にささやいて」「⻑い⻑い物語の始まりの朝。」/角川ルビー文庫刊)
原作イラスト:おおや和美
主題歌:「0%」加藤大悟
監督:横井健司
脚本:金杉弘子
製作:「タクミくんシリーズ」製作委員会
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
©2023 ごとうしのぶ/KADOKAWA・「タクミくんシリーズ」製作委員会

公式ウェブサイト:https://takumi-kun.jp
公式 Twitter:@takumikun_movie(https://twitter.com/takumikun_movie/
公式Instagram:@takumikun_movie(https://www.instagram.com/takumikun_movie/

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