1分で設営できるソロ用テントコット! クオルツ「イージーキャンパー」レビュー

こんにちは。春から初夏のソロキャンプはタープで焚き火をするだけのくにぱぐ(パギー)です。今回は、これからの季節のタープ泊などのお供に、あるいは冬は大きめのソロ用テントのインナーテントとしても使える、非常に便利なテントコット、クオルツ「イージーキャンパー」を実際に使ってみてのメリット・デメリットをご紹介します!

アウトドアショップ直営ブランド「クオルツ」のソロ用テント「イージーキャンパー」とは

筆者撮影

クオルツ「イージーキャンパー」は、分類としては「テントコット」という呼称が適当な、小型のソロ用テントです。

クオルツはアウトドアショップ「ワイルドワン」のブランドの1つです。

筆者撮影 WILD-1市川コルトンプラザ店

もう1つのブランドである「テンマクデザイン」がテントや焚き火台といった、どちらかというと高額かつ大型のギアが多いのに比較し、クオルツのほうは、椅子やテーブルなど、より生活感のあるお求めやすいキャンプギアの取り扱いが多いのが特徴です。

この「イージーキャンパー」は、そんなクオルツの中では唯一テントと呼べる存在です。

一時廃盤になっていましたが、公式サイトにも取り扱い商品として復活しており、どこのワイルドワンでも展示していますので、見たことがあるキャンパーさんも多いのではないでしょうか。

なお、「イージーキャンパー」は、Webでの取り扱いはなく、店頭での購入しかできないのでご注意ください。

広げるだけで簡単! テントコット「イージーキャンパー」の設営方法

クオルツ「イージーキャンパー」はその名の通り、設営がとにかく簡単。時間にして1分もあれば十分といったところです。

【1】足部分を広げる

筆者撮影

【2】テント部分を広げる

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【3】足部分でテープのバックルを嵌め、遊びのないように締める(2か所)

筆者撮影

たったこれだけです。

ペグ打ちも不要ですし、金属部分は大部分アルミでバランス感も良く、重量(約7キロ)程の重みも感じませんので、女性でも簡単に設営ができると思います。

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強いてコツというかポイントのようなものを挙げると、組み上がった時、コットの底面は左右とも少し上方向に傾くため、テープの引っ張り方でバランスを取り、この角度が左右で均等になるようにしましょう。(これを怠り、片方だけ傾く感じになると、かなり寝にくくなります)

意外と本格派テント! 「イージーキャンパー」の基本スペック

幅212cm × 奥行79cm × 居住スペースの高さ約70cmと、内部で座ることもできない小型のテントではありますが、テントとしての機能はなかなかの本格派です。

まず、四面ある開口部はすべてダブルファスナーで開閉がしやすいうえ、しかもそのすべてがメッシュとの二重構造です。フルメッシュ状態であれば、夏でも涼しく、蚊帳として使うこともできます。

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さらに、長辺2面部分については、中央上部に小さなメッシュもついています。これは換気と結露対策のためです。

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この小さなメッシュも含めて、すべての開口部はトグルで巻き上げる仕様です。トグルに巻きつけるロープがゴム紐なので、巻き上げもアバウトでOKです。

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また、フライシート部の材質は、75Dリップストップのポリエステル製で、耐水圧2000mmを誇ります。しかもPU防水加工、シーム加工も施されていますから、(現実的にそんなシチュエーションがあるかはわかりませんが)これだけで雨天時のキャンプまでできてしまうほどの耐水性能です。

なお、テント内部の底面はもろに「布だけ」という感じなので、特に寒いシーズンは何かしらのマットを敷いての就寝がおすすめです。

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内部を見てみますと、収納を複数備えたポケットが天井部についており、携帯電話や自動車のキー、モバイルバッテリーなどが収納できます。

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さらに、短辺同士を結ぶような形で真ん中にテープが張られており、ここにランタンを吊るすことも可能です。

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もう一点、後頭部が天井に当たるので使いにくいのですが、一応椅子的な使い方も可能です。
耐荷重は80kgです。

クオルツ「イージーキャンパー」の魅力&気になる点を徹底レビュー!

クオルツ「イージーキャンパー」はかなりユニークなテントコットですが、使ってみると、良い点も気になる点もそれなりにあるように思います。

特にテントコットならではの気になる点は、無視できないポイントです。そうした点をまとめてみます。

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良い点1:設営も撤収も簡単だから、タープ泊やインナーテントなどに使いやすい

何しろ設営も撤収も早く、ストレスがない、というのが「イージーキャンパー」の最大の利点でしょう。

著者は春先になると、タープと「イージーキャンパー」だけの設営をします。

いわゆるタープ泊ですが、むき出しのコットと違って安心感がありますし、虫などの被害に遭わないで済むのが大きなメリットです。

冬はテンマクデザインの「サーカスST」の中でインナーテントのように使用します。これだけでも隙間風を結構防ぎ、暖かく眠ることができるためです。

いずれも「イージーキャンパー」自体の設営が簡単であるため、選択肢として上がってくるわけです。

これがもし「イージーキャンパー」の設営や撤収に時間がかかるのなら、「じゃあ2ルームのテントを立てよう」となりますよね。せっかくタープやサーカスで短時間の設営をしたのに、コットやインナーテントの設営が大変だったら意味がないからです。

「イージーキャンパー」だからこそ、キャンプスタイルの幅が広がるわけです。

良い点2:テントとしてもなかなかの高級感! 就寝までのひと時が快適に!

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複数のポケットやランタン用テープまで備えた「イージーキャンパー」は、しっかりとしたソロテントと同等の豪華さ。しかもメッシュもついていますから、狭い内部とはいえ意外なぐらい快適です。

寝つきの悪い人は、横になったあとも、本を読んだりスマホを見たりしながら睡魔の訪れを待つ感じでしょうが、そうした際にも「イージーキャンパー」なら不自由な思いはしないはずです。

また、各種ポケットはセキュリティ対策としても十分。頭上のポケット内の貴重品は就寝中、肌身離さず身につけているのと同じぐらいの安心感はありますよ。

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気になる点1:仕舞サイズが巨大すぎる! ソロ以外では運ぶことも難しい?

「イージーキャンパー」は、簡単な構造で設営ができるぶん、収納時のサイズがかなり大きくなります。これが間違いなく最大のデメリットでしょう。

そのサイズは幅79cm × 奥行13cm ×厚み104cm。

私の車(マツダ・CX-8)はかなり大型の部類のSUVですが、ラゲッジスペースに搭載すると他の荷物に大きく影響が出てしまうので、後部座席を半分以上潰して乗せることになります。

家族で1人1つ…というような使い方は一部のワンボックスカー以外はほぼ不可能で、ソロ用と割り切るしかないギアです。

また、「イージーキャンパー」には、まるまる収まるバッグがついてくるのですが、このバッグからの出し入れがなんと、設営そのものより大変だというのも注意点ではあります。

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一方であまりに大きなバッグなので、「イージーキャンパー」の内部に敷くマットまで入る…という利点もあります。

気になる点2:狭いシングルウォールなので、結露が強烈!

テントに結露はつきものですが、「イージーキャンパー」は、シングルウォール(布地が一重)で狭いというその構造上、かなり結露がひどくなりがちです。

特に冬場に四方を締め切った場合、内外での温度差が大きくなり、ポリエステル地の内面はびっしょりになり、寝袋まで濡れそぼってしまいます。

メッシュ部分を多くすれば回避はできますが、防寒の目的で使う場合、結露は覚悟し、翌朝なるべく早く拭き取りを行い、日光に当てて乾燥させましょう。

また寝袋にはシュラフカバーを付けるとよいでしょう。

クオルツ「イージーキャンパー」はソロキャンプを一段リッチにしてくれる便利な相棒!

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2ルーム以外のテント、例えば人気の「サーカスTC」などを使ってキャンプをする場合、インナーテントをどうするか? これはかなり悩ましい問題だと思います。

カンガルースタイル、つまりテントの中にもうひとつテントを設営するという方法や、オフィシャルのインナーを張る方法もあるのですが、いずれも時間や手間がかなりかかってしまいます。結果、サーカスTCの「設営が簡単」という長所を打ち消してしまう事態もあるわけです。

私もその点永らく悩んでいたのですが、「イージーキャンパー」に出会えたことで、困ることはほぼなくなりました。

そのぐらい「イージーキャンパー」の設営は簡単です。

組み立ての手間は、椅子やテーブルのそれと変わりません。チェアをもう一つ余計に出す、ぐらいの感覚でインナーテントが作れるわけです。

しかも内部はしっかりしていますので、ソロキャンプが一段上、かなりリッチな感じになります。

問題は積載ですが、どのくらい圧迫するかは実物を見て決めるしかないと思います。ワイルドワン店頭で箱も含めて見せてもらい、それから購入を検討されるとよろしいでしょう。

運搬的な問題がなければ、「イージーキャンパー」があることで、ソロキャンプはさらなる可能性が出てきます。なかなかおすすめできるアイテムです。

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