暴力団「困っていたから」…縁起物の業者から販売委託し利益得る「手伝っただけ」 ひそかに警察が調べ発覚

暴力団と業者が暴排条例違反、特定した埼玉県警

 埼玉県暴力団排除条例に違反して利益を受供与したとして、県公安委員会は25日、同法に基づき、熊手などの縁起物を製造販売する事業者と指定暴力団住吉会傘下組織組長に勧告をした。

 県警捜査4課によると、業者は暴力団の活動を助長し、運営資金になると知りながら販売業務の一部を委託することで利益を供与。昨年1年間で暴力団員が業者から熊手を仕入れて売った差額は約240万円に上るという。県警の内偵捜査で仕入れや販売事実が浮上し、証拠資料などから特定した。

 勧告を受け、業者は「卸値と売価の差額が暴力団の活動資金になり、暴力団の活動を助長することになると分かっていた」と内容を認め、暴力団員は「困っていたから、手伝っただけだ」と話しているという。

 勧告に従わなかった場合は条例に基づき、公表される。

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