県内タクシー実質値上げ 15年ぶり改定

  ●6月26日から、加算額100円に

 北陸信越運輸局は26日、石川県内のタクシーの運賃を6月26日に改定すると発表した。初乗りの距離を短くして安くする一方、乗車距離に応じて加算される額を引き上げ実質的な値上げとした。値上げ率は金沢市周辺が15.45%、能登や加賀が14.15%。改定は15年ぶりで、燃料費高騰や新型コロナによる乗客減に苦しむ事業者の収支改善につなげる。

 金沢市と周辺5市町が対象の金沢地区(小型車)は、初乗り距離を現行の1.653キロから1.22キロに短縮、運賃の価格幅を現行の660~700円から、550~600円にする。約270メートルごとの加算額は現行の80円から100円にアップする。

 これまでと比べ、短い距離での利用は安くなるが、移動距離が長いほど価格が上がる仕組みで、例えば、金沢駅から武蔵ケ辻・近江町市場付近(1キロ)まで乗ると、今までより100円安くなるとみられる。これに対し、駅から兼六園(3.2キロ)まで行くと220円高くなるという。

 能登や南加賀の8市6町でつくる石川地区(小型車)は、初乗り運賃を現行の650~700円(1.458キロまで)から550~600円(1.08キロまで)とする。約250メートルごとの加算額は金沢地区と同様に80円から100円になる。

 対象は金沢地区が1447台、石川地区が437台。改定に合わせ、異なる料金体系だった小型車と中型車を「普通車」に統合した。各タクシー事業者は新たな料金体系に沿って、それぞれ運賃を見直す。

 タクシーの運賃改定を巡っては、昨年8~11月に県内39事業者から改定の要望があり、運輸局は同12月から値上げ額などを審査していた。

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