30年までに熱中症死者半減 政府計画案、極端な高温備え

政府の熱中症対策実行計画案ポイント

 厳しい暑さによる熱中症で死亡する人が相次ぐ中、熱中症対策に関係する省庁が連携して今後約5年間で取り組む実行計画の原案が26日、判明した。近年の平均で千人を超える死者数を30年までに半減させるとの目標を設定。昨夏に欧米を襲った熱波のような「極端な高温」に、災害時の経験や知見を生かして備えを進めるとした。政府は近く実行計画を閣議決定し、今夏から対策を強化する方針。

 具体的には「熱中症弱者」とされる高齢者や子どもらに対し、熱中症対策に取り組む民間団体などを通じて見守りや予防の呼びかけを強化。学校やスポーツ施設、災害時に避難所となる施設へのエアコン設置を進めるとし、市町村の役割ではクーリングシェルター(避難施設)を確保することなどを盛り込んだ。

 極端な高温発生時の備えとしては、現在の警戒アラートの上位に新設された「熱中症特別警戒情報」の周知を進め、迅速に発表できるよう関連指針や体制を整える。熱中症弱者への対応については、安否確認や避難誘導、見守りなどを災害対策の仕組みも参考に検討する。

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