退職者は心臓病リスク減 35カ国で10万人調査、京大

研究成果についてオンラインで記者会見する京都大の佐藤豪竜助教=26日

 京都大などのチームは26日、35カ国の中高年者約10万人を対象に退職者と就労者の間で疾患リスクを比較した結果、心臓病になるリスクは退職者が就労者より2.2ポイント低かったと発表した。国内の60代就労者が仮に全員退職すると、患者数が約20万人減少するのに相当するという。

 記者会見したチームの佐藤豪竜京大助教(社会疫学)は「各国で年金の支給開始年齢や定年が引き上げられているが、引退の遅れは必ずしも健康に良いとは言えない」とした上で「就労を続ける場合、運動する機会を意識的に設けることが重要だ」と指摘した。

 脳卒中や高血圧、糖尿病については両者の間で明確な差はなかった。

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