安森一貴の14本が個性的すぎる 6メーカー混在のバッグの中身

ウェッジは地クラブメーカーでそろえる安森一貴(撮影/和田慎太郎)

◇国内男子◇~全英への道~ミズノオープン 2日目(26日)◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山)◇7461yd(パー72)◇曇り時々晴れ(観衆1175人)

首位スタートから「67」と伸ばし、通算14アンダーでその座を守った安森一貴のクラブセッティングが個性的だ。2日間で奪った1イーグル、13バーディ(1ボギー)をアシストしたクラブは、1Wからパターまで6メーカーで構成されている。

アマチュア当時は国内メーカーでそろえていたが、「プロテストに落ちてしまったタイミングで、1回全部作り直してみようと思いました」と、知人を介して出会ったクラフトマン羽藤嘉人氏のサポートでイチから14本を選び直した。

1Wはキャロウェイ製。コンパクトなヘッドサイズのモデルを選んだ(撮影/和田慎太郎)

1Wは複数モデルを試したうえで、「重心距離が短くて操作性がいい」と話すキャロウェイ「パラダイム トリプルダイヤモンドS」をチョイス。フェアウェイウッドは羽藤氏がプロデュースする地クラブメーカー、P-tune(ピーチューン)の5W。ユーティリティは住友ゴム工業(ダンロップ)の「スリクソン ZX ユーティリティ」(3番)を入れる。

アイアンは、2019年のプロ転向時から契約する三浦技研「TC-101」でそろえている。ウェッジは3本とも地クラブで、52、58度はP-tune、61度はモダート。パターは京都府のパターメーカー、べノックという構成だ。

個性派なクラブに反して、スイングはシンプルを貫きジュニア時代からほぼ変わっていないという。

スイングは要点を絞りシンプルに(撮影/和田慎太郎)

飛距離は「ツアーの中間」と割り切って、アイアンの精度を重視。「飛距離アップを目指して変えたこともあったけど、アイアンに影響が出てブレてしまう。それならアイアンでしっかり狙ったところに止められる方がいい」と割り切り、“左から右への体重移動、オンプレーンでのスイング”という基礎を貫いてきた。ジュニア時代からコーチを務める福原剛廣氏は、「だから再現性もミート率も高い。入射角が浅いのでロースピンで、球が上がって飛ぶので風にも影響されない」と解説する。

ツアーで初めて経験する追われる立場ながら、「普段どおりにできました」とブレないメンタルも強みのひとつ。「追いつかれたとしても、明日からも自分のプレーをしていくだけです」。3日目は、3打差をつける中島啓太、鈴木晃祐とともに自身初の最終組を経験する。(岡山県笠岡市/谷口愛純)

3日目は自身初の最終組をプレーする(撮影/和田慎太郎)

<安森一貴のクラブセッティング>
ドライバー:キャロウェイ パラダイム トリプルダイヤモンドS(9度)
シャフト:グラファイトデザイン ツアーAD TP(重さ60g台、硬さX)
フェアウェイウッド:P-tune フェアウェイウッド(5番)
ユーティリティ:ダンロップ スリクソン ZX(3番20度)
アイアン:三浦技研 TC-101(4番~PW)
ウェッジ:P-tune PG K-ウェッジ(52、58度)、モダート SD ウェッジ(61度)
パター:べノック プロトタイプ♯1
ボール:ダンロップ スリクソン Z-STAR ダイヤモンド

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