LRT開業前に 初のテロ対策訓練 栃木県警と宇都宮市消防局、連携深める

テロを想定した訓練でLRTの乗客を搬送する救助隊員=26日午後1時55分、宇都宮市清原工業団地

 次世代型路面電車(LRT)の8月の開業を前に、栃木県警と宇都宮市消防局は26日、宇都宮市清原工業団地の乗り継ぎ拠点のトランジットセンターで、テロ事件を想定した初の対応訓練を行った。関係機関から約100人が参加し非常事態に備えて連携を深め、対処能力の向上を図った。

 訓練は11人の客を乗せた走行中の車内に化学剤が散布されたとの想定で実施。体調不良になった乗客の1人が非常通報ボタンを押した。化学防護服を着た救助隊員が駆け付け、無線やジェスチャーで意思疎通し化学剤を処理したり、乗客を担架で運んだりし、現場には緊迫した空気が流れた。

 現場責任者を務めた宇都宮東署の川又孝洋(かわまたたかひろ)警備課長は「開業間近に有意義な訓練ができた。LRTは注目の公共交通機関で狙われやすい。万全のテロ対策を行っていく」と述べた。

 LRTの運行会社「宇都宮ライトレール」の高坂克也(こうさかかつや)運輸企画部長は「お客さまの安全が第一。さまざまな場面を想定し、訓練で対応スキルを上げたい」と話した。

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