宮崎県川南町下小池の河野定夫さん(74)が、町のスポーツ振興に役立ててもらおうと、かつて自身が所属した川南野球クラブ(同町)に100万円を寄付した。一部は同クラブを通して町内の中学校やスポーツ少年団に贈られるという。
河野さんは軟式野球の投手として高鍋農業高時代に全国大会出場。卒業後に入部した同クラブでは、1968(昭和43)年の県民体育大会で完全試合を達成した。だがその後、家業の農業が忙しくて退部せざるを得なかったという。
長男・光紀さん(46)が農業の跡を継ぎ、経営は安定。数年前に光紀さんが同クラブの監督に就いたこともあり、「退部してから50年越しの恩返し」(河野さん)と寄付を決めた。
24日、所属時の監督だった木内新一さん(86)=県軟式野球連盟副理事長、現役選手代表の長船良平さん(33)に対し、河野さんの代理で光紀さんが目録を手渡した。木内さんは「優しくてきちょうめんな彼の人格があっての寄付。気持ちを受け止めて青少年の健全育成に充てたい」と感激。河野さんは「私を育ててくれたのは(クラブを支援した)押川千秋さん(故人)や木内監督、先輩方」と感謝する。
50年越しの恩返し 川南・河野さん野球クラブに寄付
- Published
- 2023/05/26 19:37 (JST)
- Updated
- 2023/05/27 12:13 (JST)
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